BSシネマ　エル・ドラド（1966米）：e-徒然草：So-net blog

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オールドレンズで絵日記　2013.05...｜GPSロガーブログトップ

BSシネマ　エル・ドラド（1966米）　[日記（2013)] [編集]

　エル・ドラドは黄金郷を指しますから、『昼下がりの決闘』や『マッケンナの黄金』の様な黄金にからむ西部劇なんだろうと思っていましたが、黄金は欠片も出てこず普通の西部劇でした。

　ガンマンのコール（ジョン・ウェイン）は、牧場の水争いに加勢するためにエル・ドラドへやって来ます。

昔馴染みのエル・ドラドの保安官ハラー（ロバート・ミッチャム）によると、コールを雇ったジェイスンは牧場の水が足りなくなり水源を押さえているマグドナルドに横槍を入れてこれを取り上げようと云う悪人。　これを聞いてコールは加勢を断り行きます。その帰り、見張りに立っていたマグドナルドの息子の誤射によってこの息子を殺してしまい、コールもまたマグドナルドの娘に撃たれます。コールは一命を取り留めますが、脊髄の近くで止まった銃弾が取り出せず、突然の痛みと右手の麻痺に襲われるという後遺症を負います。ガンマンが右手が使えなくなるとは致命的、何時襲ってくるか分からない痛みと右手の痺れを抱えたガンマン、というのが『エル・ドラド』のモチーフです。

　悪役はジェイスンで決まりですが、ジェイスンには子分が沢山いますから、コールひとりでは荷が重いのでミシシッピー（ジェームズ・カーン）という助っ人が登場します。ナイフ投げの名人で、酒場で、2年がかりで追い求めた友人の敵討ちをやります。この時コールに助けられたことで、ふたりは行動をともにします。拳銃が下手なのでナイフを使うのですが、以降この鮮やかな手練は見せてくれません。ミシシッピーがナイフの代わりに使うのが、銃身を切り詰めた散弾銃。これなら下手なオマエでも当たるだろうコールに薦められたのですが、ご愛嬌でなかなか当たりません。

　コールとミシシッピーがエル・ドラドに帰ってくると、旧友の保安官ハラー（ロバート・ミッチャム）は女に振られて酒浸りの体たらく。折からジェイスンが用心棒を連れて街に現れ、何やら不穏の雲行き。ともかくも保安官を正気に戻さないと街の治安は守れないと、ミシシッピーは特効薬を調合してハラーの目を覚まさせます。二日酔いでフラフラの保安官は使い物にならないと、老保安官助手のブル（アーサー・ハニカット）はコールとミシシッピーを臨時の助手に任命します。『ワーロック』か何かにそんなシーンがありましたが、右手を上げて宣誓するだけで簡単にバッジを付けることができるんですね、便利。

　これで、保安官ハラー、助手ブルにコールとミシシッピーが加わった街の治安を守るチームが出来上がりました。但し、この混成部隊は、ヨッパライで二日酔いのハラー、引退間近かの老人ブル、何時右手の痺れが起きるか分からないガンマン・コール、射撃が恐ろしく下手なミシシッピーと、悪に立ち向かうにはいささか心許ないチーム。この西部劇の面白さは、ハンディを抱えた彼等が如何に無法者をやっつける、これに尽きます。

　正直言って、すべてがネタ割れで、そうなるだろうと思って見ているとそうなりますから、あまり面白くありません。これは顛末の決まっている『寅さん』『水戸黄門』みたいなもので、逆に言うと安心して見ていられると云う面白さはあります。ジョン・ウェインという役者は、そうしたアメリカ民衆の無意識的願望を体現した役者なんでしょう。1939年の『駅馬車』以来、休むことなく毎年1本の映画に出演しています。1年に1本はジョン・ウェインの西部劇を見ないと落ち着かないという人がいるのでしょう。しかし、37年間映画に出続けたのですから立派なものです。

　で、結末ですが、『水戸黄門』です（笑。

監督：ハワード・ホークス

出演：ジョン・ウェイン　ロバート・ミッチャム　ジェームズ・カーン

タグ：BSシネマ