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映画 スノーホワイト(2012米) [日記(2013)]

スノーホワイト [DVD]
 「白雪姫」です。白雪姫にクリステン・スチュワート(よく知りません)、白雪姫に毒リンゴを食べさせる継母の女王にシャーリーズ・セロン。一応白雪姫が主役なんでしょうが、美貌と貫禄で圧倒的にシャーリーズ・セロンの映画です。原題が“Snow White & the Huntsman”で猟師も出てくるんですが、やはりここは「7人の小人」でしょうね。

 ストーリーはだいたい童話と同じです。違うのは、魔女の毒リンゴで死んだ白雪姫は、王子のキスではなく猟師のキスで甦り、生き返った白雪姫が王子と結ばれてめでたしめでたしでは芸が無いので、白雪姫が魔女の支配する城を攻めて、王国を取り戻すと云う結末になっています。

 当然、「鏡よ鏡、世界で一番美しいのは誰?」というのも出てきます。これがこのモチーフなんでしょう。魔女は若い娘の生気を吸い取って若さと美貌を保っているのですが、美貌が幸福をもたらす、みたいなことを幼い頃に母親から言われ、どうもこれがトラウマとなって魔女になった様です。鏡に、白雪姫の心臓を食べると永遠に若さが保てるとか言われ、逃げ出した白雪姫を追うわけです。 
 若さと美貌は女性の執念みたいなものですから、ここを掘り下げると面白かったと思うのですが、サラッと済ませてファンタジーに力を入れています。自分の姿が映る鏡が語りかけるのですから、これは自問自答で、自身の妄想に他なりません。日本にも、恋に狂い嫉妬で生き霊となった「六条御息所」や能の「般若の面」の伝統がありますから、妄執によって魔女になったというアイデアはなかなかのものです。ひょっとして、童話「白雪姫」の本質はそんなところにあるのかも知れません。
 と言う「六条御息所」的視点で見ればホラーですが、ツッコミが足りません。『モンスター』で連続殺人犯の娼婦を演じたをシャーリーズ・セロン起用したのですから、勿体ないはなしです。
 勿体ないのは、トビー・ジョーンズやボブ・ホスキンスを起用した「7人の小人」。白雪姫と猟師を捕まえて“喰っちまおう”とか出だしはよかったんですが、途中からいい子になってしまい中途半端。シャーリーズ・セロンひとりが辛くも支えている映画でした。
 
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 頑張れシャーリーズ・セロン その1        その2
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 その3                         7人のこびと 
 
 童話を下敷きにしたダークファンタジーに『赤ずきん』がありますた。こちらは人狼伝説と異端審問をからめてなかなかダークでしたが、『スノーホワイト』は童話に寄りかかりすぎてダークさが足りません。『赤ずきん』では、怪優ゲイリー・オールドマンが活躍してストーリーを盛り上げてくれましたが、『スノーホワイト』の男優陣は猟師にしろ王子にしろ全くもの足りません。頑張っていたのは、魔女の弟ぐらいですね。
 監督のルパート・サンダースは、クリステン・スチュワートと遊んでいて、映画は二の次だったんではないかと思います(笑。

監督:ルパート・サンダース
出演:シャーリーズ・セロン クリステン・スチュワート クリス・ヘムズワース

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