BSシネマ 華麗なるアリバイ(2008仏) [日記(2013)]
アガサ・クリスティのミステリの映画化らしいですが、原作では登場する(らしい)ポアロも登場せず、アリバイ崩しもありません。原題が“Le Grand Alibi”ですから、タイトルに偽りはないわけですが、なんとなく騙された気分です。
上院議員の別荘で精神科医のピエール(ランベール・ウィルソン)が射殺されます。このピエールは、『マトリックス』のメロビンジアンですね。ピエール殺害犯を探す映画です。登場人物は、
上院議員(ピエール・アルディティ)上院議員の妻(ミュウ=ミュウ)ピエール(ランベール・ウィルソン):殺人事件の被害者クレール(アンヌ・コンシニ): ピエールの妻エステル(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ): 上院議員の彫像を作った彫刻家、ピエールの愛人フィリップ(マチュー・ドゥミ): 作家、上院議員の妻の甥、エステルを愛しているレア(カテリーナ・ムリーノ): イタリアの女優、ピエールの元恋人、ホテルの浴室で殺されるマルト(セリーヌ・サレット): 靴屋の店員。上院議員の縁戚、フィリップの恋人クロエ(アガト・ボニゼール):上院議員の姪ミシェル: 女優の運転手
ピエールは、別荘のプールサイドで射殺され、ピエール側には拳銃を握って呆然と佇む妻クレール。クレールは重要参考人として逮捕されます。ところが、ピエールが殺害された拳銃は、彼女が持っていた拳銃とは異なっていたために釈放されます。じゃぁ犯人は誰だ?
ピエールは彫刻家のエステルとは愛人関係にあり、イタリア女優は昔の愛人。つまり、ピエールを中心に、妻と愛人と元愛人が集ったわけです。おまけに、久々に女優と再会して一夜を共にするというプレイボーイ振り。もっともこれはやり過ぎで、よりを戻そうという女優に、ピエールは一夜の過ちだと答え、女優から侮蔑の言葉を投げつけられます。
この四角関係に参加するのが小説家。靴屋の店員の恋人を連れてきていますが、実は彫刻家に想いを寄せているという設定です。この相関関係を整理してピエール殺害の動機を探ってみると
ピエールの妻:浮気症の夫に愛想をつかしている。別荘に来てみると愛人を呼んでいる。元愛人の女優まで来ていて、女優と浮気する有様。これは動機として十分ですが、幼い子供までいるのですから、殺人のメリットどうなんでしょう。愛人の彫刻家:ピエールにベた惚れ。ところが、女優との浮気を知ってしまい怒り心頭(というシーンはありませんが)。女優を殺すのならともかく、うまくいっているピエール殺害の動機は希薄です。元愛人の女優:彫刻家がピエールの愛人であることを知り、よりを戻そうと誘惑。一夜を共にしますが、翌朝ピエールの拒絶に会いこれも怒り心頭。動機としてはまぁあります。小説家:彫刻家に好意を寄せていますから、明らかにピエールは邪魔者です。恋は盲目ですから、これはあり得ます。
上院議員とその妻、姪、女優の運転手、別荘の料理人が登場しますが、動機がありません。さて、犯人は誰だ?
と書くほど面白くも何ともありません。探偵ポアロも登場しませんし、登場人物の新たな秘密が次々に浮かび上がるといったこともありません。何処が、何が「華麗なるアリバイ」なんだぁ!という映画です。避けたほうが賢明かも。あぁ犯人ですね、ヤッパリお前か...です(笑。
監督:パスカル・ボニゼール
出演:ミュウ=ミュウ ランベール・ウィルソン アンヌ・コンシニ
タグ:BSシネマ
2013-05-14 09:08
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