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映画 ライフ・オブ・デビッド・ゲイル(2003米) [日記(2013)]

ライフ・オブ・デビッド・ゲイル [DVD]
 死刑制度が背景となっていますが、それについてどうこういう映画ではなく、純粋にサスペンスです。そういう意味で主演のケヴィン・スペイシーはまさにハマり役です。『ユージュアル・サスペクツ』、『セブン』、『L.A.コンフィデンシャル』、『アメリカン・ビューティー』でひとクセもふたクセもあるケヴィン・スペイシーを見ていますから、この映画のラストを見ると「やはり」ということになります。

 死刑囚デビット・ゲイル(ケヴィン・スペイシー)を取材する雑誌記者のビッツィー(ケイト・ウィンスレット)の話です。死刑囚デビット・ゲイルは、ハーバード出の将来を嘱望される大学教授。その大学教授が教え子をレイプして訴えられ、挙句にレイプ殺人を犯して死刑の判決を受け、近々刑が執行されます。デビットは、しばしばマスコミにも登場した死刑廃止論者で、死刑廃止論者が死刑になるということで世間の耳目を集めています。

 このデビット・ゲイルが、ビッツィーを指名して雑誌社に50万ドルで手記の売り込みを図ってきます。ビッツィーは、処刑前のゲイルにインタビューし、それを手記にまとめる仕事を開始します。期間は処刑前の3日間。

 ビッツィーと新米の記者ザックはゲイルのいるテキサスの刑務所を訪れ、金網越しにインタビューを始めます。映画は、ビッツィーのインタビュー、ゲイルが死刑判決を受けるに至った事件の二重構造で進みます。テキサスに到着するや、テンガロンハットを被った男運転するピックアップトラックがビッツィーたちを執拗につけ廻し、事件の裏にある謎を暗示します。ゲイルの弁護士も登場しますが、この弁護士は長髪を後ろで束ねた弁護士らしからぬ風体で、かなり怪しい。

 インタビューが始まります。ゲイルは、ふとしたはずみで、元教え子(ローナ・ミトラ)に誘惑されて関係を持ち、この元教え子にレイプで訴えられ大学を罷免されます。当然に離婚、アル中と絵に描いたような転落の物語が語られます。
 そして、ゲイルと一緒に死刑廃止運動に参加していたコンスタンス(ローラ・リニー)が自宅でレイプされ殺されます。全裸で手錠をかけられ、頭にビニール袋を被せられた窒息死。コンスタンスの遺体からはゲイルの精液が見つかり、これが証拠となってゲイルは逮捕されます。どこからいってもゲイルの犯行に間違いはありませんが、ゲイルは無罪を告白します。この覆えりそうにもない冤罪を、ビッツィーはどうやって晴らすのか?、ゲイルの死刑執行まで残された時間は24時間。これが第1のサスペンスです(つまり第2があるということ)。

 ビッツィーの泊まるモーテルに、何者かが、コンスタンスの死体を撮したビデオテープを投げ込みます。ビデオをゲイルの弁護士に届けに行き、ビッツィーはそのビルでテンガロンハットの男を見かけます。
 ゲイルによると、この男も死刑廃止運動の過激な活動家で、コンスタンスと親しい関係にあった。おまけに、ゲイルの弁護士は、無期懲役を逃して死刑の判決を許してしまったという事実まで分かって、ストーリーは、弁護士と男が組んでゲイルを陥れたんだろう...という雰囲気。

 要は、死刑廃止運動の活動家が殺され、その犯人として死刑廃止論者で活動家である元大学教授が捕まり死刑判決を受ける。皮肉とも言えるこの事件で、ゲイルが無実とすれば誰が犯人なのか?、といことに尽きます。ゲイルの処刑まで残された時間は24時間。果たしてビッツィーは無実を証明できるのか?。そして意外な事実が明らかになり...やめておきます(笑。

 サスペンスとして良く出来ていると思います、お薦め。

監督のアラン・パーカーは、『ミッドナイト・エクスプレス』『ミシシッピー・バーニング』を見ましたが、3本とも面白いです。

監督:アラン・パーカー
出演:ケヴィン・スペイシー ケイト・ウィンスレット

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コメント 2

cocoa051

死刑制度が犯罪の抑制につながってるというのは、ホントにそんなんでしょうかねぇ。なにか吹っ切れませんが、なくなってしまうのも困りものですよね。
by cocoa051 (2013-12-04 15:49) 

べっちゃん

どうなんでしょう。テキサスは、死刑制度はあるが犯罪発生率は高い、というセリフが映画にあります。死刑廃止論は、冤罪の問題なんだと思います。
by べっちゃん (2013-12-04 20:21) 

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