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映画 ゾンビランド(2009米) [日記(2014)]

ゾンビランド [DVD]
 レンタルショップではコメディの棚に並んでいましたが、このDVDをホラーの棚に並べる店はないでしょうね。
 ゾンビが徘徊する「ゾンビランド」と化したアメリカ大陸を、テキサスからロサンゼルスまで走破する、ホラー風、青春映画風、ロードムービーとでも呼べばいいのでしょうか。似たような映画で、生き残った男女と親子4の人が、軍のラジオ放送に導かれて、兵士のいる軍事基地を目指す『28日後』というゾンビ映画がありました。『ゾンビランド』はそうしたシリアスさは無く、主人公たちの目指す目的地も、遊園地パシフィック・プレイランド。←見るだけで、おおよそ分かりますね。

【4人組】
 主人公はゲームオタクの引きこもり大学生コロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)。テキサスから郷里のコロンバスを目指している途中で自称ゾンビハンターのタラハシー(ウディ・ハレルソン)と出会います。彼は、ライフルでゾンビを殺すことに生きがいを感じているテンガロンハットのマッチョ。タラハシーは、トゥインキー(スポンジケーキ、ジャンクフード)を求めて旅をしているようなんですが、引きこもり大学生とスポンジケーキを探すマッチョという組み合わせがもう喜劇です。

 トゥインキーを探しに入ったスーパーマーケットで、ふたりは、ウィチタ(エマ・ストーン)、リトルロック(アビゲイル・ブレスリン)姉妹に出逢います。ウィチタは、タゾンビに噛まれて発病寸前の妹を殺してくれとタラハシーに頼みます。ウィチタは、いや私が殺すとライフルを受け取った瞬間、銃口はタラハシーに向けられ、姉妹は車を奪って逃走、以外な展開です。
 銃と車なしでは裸も同然。まぁ映画ですから、都合よく道端に乗り捨てられた車とトランクに積まれた大量のマシンガンを見つけるわけです(笑。なんだかんだで、コロンバス、タラハシーの凸凹コンビに加えて頭のいい美人姉妹が加わり、役者が揃ったことになります。
 コロンバスが地名だということは知っているんですが、タラハシーもウィチタ、リトルロックも全部地名ですね。

【ビル・マーレイ】
 ウィチタ姉妹が目指すのが、ゾンビがいないと噂に聞いたロサンゼルスの遊園地パシフィック・プレイランド。郷里のコロンバスとは方向が違うのですが、美人に弱いコロンバスは姉妹と同行、タラハシーもどうせ暇なんで、ということでしょうか。ビバリーヒルズに入った4人は、この際だから映画スターの豪邸で一泊しようということになります。映画スターもゾンビになって邸はもぬけの殻だろうということです。トム・クルーズ邸がいいの誰それの邸がいいのと言っていると、タラハシーが車を乗り付けたのはビル・マーレイの豪華な邸。タラハシーはビル・マーレイのdeepなファンのようです。
 なんとビル・マーレイがビル・マーレイ本人として出演しています。タラハシーとビル・マーレイが『ゴーストバスターズ』のコスチュームでふざけたり、コロンバスとリトルロックが邸のシアターで『ゴーストバスターズ』を見たり、サービス満点。ところが、ビル・マーレイがゾンビの姿で現れたため、コロンバスは誤って彼を撃ち殺してしまします。エッ、ビル・マーレイもう出ないの?ですが、カメオ出演ですからこんなもんです。ビル・マーレイをB級ホラーに出演させただけでも立派。

【パシフィック・プレイランドの惨劇】
 と言ってもコメディです。ウィチタ姉妹はコロンバスたちを置いて夜の遊園地に向かい、煌々と明かりをつけて遊びまわります。ところが、明かりを目印にゾンビが続々と集まってきます。ウィチタ姉妹危機一髪でタラハシーとコロンバスが救援に駆けつけるわけですが、タラハシーのゾンビ狩りは痛快無比。で、ウィチタ姉妹の危機を救い、出会いはギクシャクした4人の結束が深まるわけです。タラハシーは“家族だ”と言ってますが、またもアメリカ映画の大好きな「家族」がオチです。

 あらすじなど書いても、この映画の面白さは1/100も伝わりません。この映画の魅力は、タラハシー、コロンバス、ウィチタ、リトルロックの4人のキャラクターに尽きます。落ちこぼれ大学生とマッチョなゾンビハンターに、「他人は信用するな」という姉妹が加わったことで出てくる落差、みたいなものです。4人の会話も掛け合い漫才のようで気が利いていて、タラハシーのゾンビ狩りがまた痛快、最強のゾンビ映画です。
 それもそのはず、出演は、『ナチュラル・ボーン・キラーズ』のウディ・ハレルソン、この後『ソーシャル・ネットワーク』で注目をあびたジェシー・アイゼンバーグ、『アメイジング・スパイダーマン』のヒロインを射止めたエマ・ストーン。アビゲイル・ブレスリンは、『リトル・ミス・サンシャイン』のあの子役だそうです。

 でお薦めかというと、これはもう絶対のお薦め。ホラーの苦手な方も楽しめるゾンビ映画です。

監督:ルーベン・フライシャー
出演:ウディ・ハレルソン ジェシー・アイゼンバーグ エマ・ストーン アビゲイル・ブレスリン ビル・マーレイ

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