映画 サハラ 死の砂漠を脱出せよ(2005米) BSシネマ [日記(2014)]
アクション映画は荒唐無稽と相場が決まっていますが、ここまで荒唐無稽となるとちょっとついて行けません。
冒頭、南北戦争末期の南軍の甲鉄艦テキサスが登場します。甲鉄艦など初めて知りました。このテキサスがアフリカに渡ってサハラ砂漠に埋もれているというトンデモナイ話しです。
主人公は、クライブ・カッスラーのシリーズ共通、ダーク・ピット。サンデッカー提督(ウィリアム・H・メイシー)率いるNUMA(国立海中海洋機関)に属し、海底から遺物を引き上げる仕事に携わっています。ピットは、甲鉄艦テキサスがサハラ砂漠に眠っているという伝説を信じ、提督に探索を進言しますが、誰も取り合いません(そりゃそうです)。テキサスに積まれていた金貨が、ナイジェリアで発見されたため、提督もしぶしぶテキサス探索をピットに許可します。
ここで登場するのが、アフリカで感染症の発生源を調査するWHOの医師エヴァ(ペネロペ・クルス)。感染源がマリ(共和国)にあると考えるエヴァと、テキサスがニジェール川を遡行してマリに行った考えるピットは、提督のボートで川をマリへと向かいます。ピットに同行するのがNUMAのアル(スティーヴ・ザーン)とルデ(レイン・ウィルソン)。
ニジェール川で、ピットたちと軍隊の追いつ追われつの戦いが荒唐無稽第1弾。ボートが陸を走り、ジープが水上を走り?るのですから、笑います。砂漠に放り出されたピットとアルは、不時着した飛行機の残骸を使ってヨットのように砂漠を疾駆し、あり得ない!と笑うしかないです。これが荒唐無稽の第2弾。
悪役の登場です。アフリカですから、マリもよくある軍事独裁国家です。例のアミン大統領のような独裁者が登場し、ヨーロッパのビジネスマンと(ランベール・ウィルソン)と組んで廃棄物処工場を砂漠に作り、汚水を垂れ流しているというわけです。環境汚染を悪役にする辺りは、昨今の世相の反映でしょうね。
ピットとWHOのエヴァはこの工場に忍び込んで、感染症の原因が、工場から流される廃液であることを突き止めます(つまり、感染症ではなかったということ)。最後は、独裁者の将軍に追いかけられ、辿り着いた先はサハラ砂漠で座礁した甲鉄艦テキサス。テキサスの大砲を引っ張りだして将軍との一騎打ち、これが荒唐無稽第3弾。
念願の甲鉄艦テキサスを見つけ、ペネロペ・クルスを腕に抱いて我が世の春のダーク・ピットで幕。まことに調子のいい映画です。『レイズ・ザ・タイタニック』と本作がコケたため、ダーク・ピットの続編は無いようです。
マシュー・マコノヒーは『U-571』や『アミスタッド』に出ていたらしいですが、印象が薄いです。スティーヴ・ザーンは、ミラ・ジョヴォヴィッチと共演した『パーフェクト・ゲッタウェイ』の意外な悪役として印象に残っています。ウィリアム・H・メイシーは、何と言っても『ファーゴ』です。何時もの?情けない役ではなく、今回は「提督」です。悪役のランベール・ウィルソンは、『マトリクス』のメロビンジアンで有名です。『華麗なるアリバイ』『神々と男たち』にも出演していました。ペネロペ・クルスは、この映画では「借りてきた猫」状態で、この人である必然性は何もありません。
というわけで、見ても見なくてもどちらでも構わないという映画です(笑。
監督:ブレック・アイズナー
原作:クライブ・カッスラー
出演:マシュー・マコノヒー ペネロペ・クルス スティーヴ・ザーン ウィリアム・H・メイシー ランベール・ウィルソン
甲鉄艦テネシー 砂漠でヨット
タグ:BSシネマ
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