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映画 プリンセス・トヨトミ(2011日) BSシネマ [日記(2014)]

プリンセス トヨトミ DVDスタンダード・エディション
 大阪が舞台の映画だとつい見てしまいます。それだけ大阪は田舎ということなんでしょうね。

 大阪夏の陣で滅びた筈の豊臣家の血筋が、実は現在に至るまで連綿と続いているという話しです。そして、大阪人は皆その事を知っており、豊臣家の末裔を戴いた影の国家「大阪国」を密かに奉じているという、奇想天外、荒唐無稽な話しです。

 大阪人には、常に首都・東京に対するコンプレックスを裏返しにした変なプライドがあります。東京=江戸は、家康が野っ原に開いた都市ではないか、大阪には、遣唐使もここから旅立ったという奈良時代から栄えた港がり、源氏物語で有名な住吉大社があり、そもそも歴史が違う。近松も西鶴も大阪人や、「太閤はん」もいてはった、大阪城もある、ということになるのでしょうか。そういう大阪人のプライド?をくすぐるような映画です。

 会計検査官の松平(堤真一)、鳥居(綾瀬はるか)、旭 ゲーンズブール(岡田将生)の3人が、大阪府の会計検査をするために来阪します。たった3人?金融庁でも経産省でももっと来る!というツッコミは無しです。3人が調べるサンプルが財団法人‘OJO’と空堀中学校。このふたつの調査から、「プリンセス・トヨトミ」の存在と「大阪国」が浮かび上がるという仕掛けになっています。

 明治維新に、大阪の商人たちが財政難の新政府に多額の援助を与え、その見返りとして「大阪国」を認めさせたと云うのです。政府は、現在でも「大阪国」に毎年数億円の財政援助を与え、その資金を迂回させる法人が‘OJO’なのです。

 (笑うのですが)OJOから大阪城の地下にある「国会議事堂」に通じる地下道があり、大阪の男児は14歳(元服)に達すると父親とともにこの通路を通って「国会議事堂」に向かい、「大阪国」の秘密を知らされるというのです。そして、豊臣家の存続に一旦事ある時には、大阪の全男子が武器を取って蜂起するという盟約を結んでいるのです。私は堺の住人で、生まれは他府県ですからこの事実は知りませんでした(笑。
 松平はOJOの資金の流れに不審を抱き、OJOの実態と地下道、大阪国の存在を嗅ぎつけます。
 この秘密を松平に明かすのが、OJOのビルの前でお好み焼き屋を営む真田(中井貴一)です。そして、真田こそ「大阪国」の総理大臣だった!というわけです(笑。

 空堀中学校はどうなったかというと、会計検査官の3人は、真田の息子・大輔がイジメられる現場を目撃し、大輔を助ける「茶子」なる少女に出会います。この茶子こそが「プリンセス・トヨトミ」なのです。それにしても、大輔は何故女装なのか?(本人は「目覚めた」と言ってますが)。松平、真田に茶子、そうそうOJOの財務部長が長宗我部です。
 アラスジを紹介するのも馬鹿らしいのですが、大輔がヤクザの蜂須賀一家に殴りこみをかけ、それを助けに行った茶子が鳥居に「誘拐」されたことで、「すわ一大事」と全大阪の男子が立ち上がります。蜂起の合図が「ひょうたん」というのはなかなかシャレています。

 もう一つ「父と息子」というテーマがあります。真田は息子・大輔を地下道に連れて行き、「大阪国」と「プリンセス・トヨトミ」の盟約を話すことでふたりの不和が解消され、実は大阪出身の松平は、幼くして大阪を離れ父親と疎遠となったためにこの地下道の「父と息子」を体験できなかったことが明かされます。松平は、「父と息子」の地下道のために、会計検査委員として「大阪国」の秘密を報告しないことに決めるわけです。 

 橋本大阪市長に「大阪都構想」というのがあります。この構想の出処が「大阪国」とは言いませんが、こうした発想が出てくるというところが大阪の面白いところですね。綾瀬はるかは、「お好み焼き」と「たこ焼き」と「串かつ」を食べることで、貢献度大です。

 映画としては、説明不足でストーリー上の破綻が見受けられます。「大阪国」というのは面白そうなので原作を読んでみたいですね。そうそう、小松左京に『日本アパッチ族』という、大阪を舞台としたパラレルワールドものがありました。これも予定リストに入れておきます。

監督:鈴木雅之
出演:堤真一 綾瀬はるか 岡田将生 中井貴一

タグ:BSシネマ
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