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映画 草原の野獣(1958米) BSシネマ [日記(2014)]

gwalk_WP_1280x1024_062420111201.jpg 原題はGunman's Walk。ヴァン・ヘフリン主演の西部劇です。 ヴァン・ヘフリン というと『シェーン』『決断の3時10分』の地味な農夫というイメージが強いのですが、その個性を生かしたのかどうか、かなり変わった西部劇です。西部劇のかたちをとった父親と兄弟の三人の物語で、舞台がワイオミングで無く現代のNYや東京であっても少しも不思議ではない物語です。
 息子は父親を超えるものなのか?、父親は息子に乗り越えられる存在なのか?、父親にとって息子は競争相手なのか?。
 牧場主のリー・ハケット( ヴァン・ヘフリン )は、かつてはガンマンであり銃の力を借りて先住民と闘い土地を切り取って現在の地位まで上り詰めた「創業初代」です。『ララミーから来た男』のワゴマンとよく似た存在です。町へ行けばハケットの支持者がおり、町では拳銃の携帯を禁じていますが、ハケット一家は拳銃をぶら下げていてもおとがめがないという実力者です。
 リーにはエド(タブ・ハンター)、ヴァーレイ(ジェームズ・ダーレン)のふたりの息子があり、自分のように育って欲しいという方針の元に、自分のことをパパと呼ばせず“リー”と呼ばせています。兄のエドは性粗暴、拳銃の腕も父親譲りという「二代目」です。自分のように育って欲しいと考えるリーは、息子のエドに期待をかけています。弟はというと、これは兄とは正反対で、優しい性格で拳銃の腕はからっきし駄目。跳ねっ返りの兄によく出来た弟という組み合わせです。

 この親子が数百頭の馬を移動させる旅に出、途上でエドは牧童を殺してしまいます。一頭の馬を追って追いつ追われつする間に、エドは牧童を誤って崖から突き落としてしまったというわけです。
 リーは、これを事故として金で解決しようとしますが、牧童の妹クリーと事故を目撃していた先住民によってエドは殺人罪で訴えられます。未必の故意で牧童を事故死させたエド、エドを守るため事件をもみ消そうとするリー、事故死した牧童の妹に同情を寄せる弟ヴァーレイと三者三様。この場合ヴァーレイは刺し身のツマみたいなもので、重要なのは殺意は無かったものの結果的に牧童を殺したエドと、息子の殺人もみ消そうとしたリーです。

 裁判で、エドに有利な証言をする証人が現れ、エドは無罪となります。この証人は馬の仲買人で、証言と引き換えにリーから馬を引き出す目論見があり、リーは息子可愛さにまんまと偽証を受け入れてしまいます。ところが、エドが仲買人を撃ち、彼の証言が覆ることを恐れたリーは、瀕死の重傷を負った仲買人を5000ドルで買収しようとします。
 エドは逮捕され、保安官代理を撃ち殺して逃亡を図ります。父親は息子を撃ち殺すことによって、事件に決着を付けますが、撃ち殺したのは自分自身であったという苦い結末です。

 息子を持つ身には、ドッと疲れる映画です。ひょっとして、名画かもしれません(笑。

監督:フィル・カールソン
出演:ヴァン・ヘフリン  タブ・ハンター カスリン・グラント ジェームズ・ダーレン

タグ:BSシネマ
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コメント 2

fpmi

今、NHKで見てます。
by fpmi (2015-10-06 13:59) 

べっちゃん

ドッと疲れませんか?(笑。
by べっちゃん (2015-10-06 18:03) 

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