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映画 マジェスティク(1974米) [日記(2015)]

マジェスティック [DVD] ジム・キャリーの2001年の映画ではありません。 チャールズ・ブロンソンの1974年の映画です。チャールズ・ブロンソンは、一匹狼の殺し屋という役柄が多いですが、今回はスイカ農場の農場主マジェスティック。

 農場主といっても、ひとりで切り盛りする零細農民?で、収穫期には季節労働者を雇い西瓜を収穫します。この労働者集めで町のチンピラともめ、ブロンソンは銃を持ち出したチンピラを腕ずくで追い払います。チンピラは傷害罪でブロンソンを訴え、ブロンソンは逮捕されます。逮捕されても、早く西瓜を収穫しないと腐ってしまう、とブロンソンの心配は西瓜 →渋い!。

 警察署から刑務所に移送される途中、護送車が教われます。殺し屋のアル・レッティエリを奪還しようというギャングの仕業です。アル・レッティエリは、一度見たら忘れられない悪役面です(『ゴッド・ファーザー』に出ていた)。ブロンソンは、何を考えたのかアルを乗せたまま逃亡を図り、山の狩猟小屋に監禁します。で、麓の釣具屋で金を借り警察署に電話。アルは預かった、返して欲しければ俺を保釈しろ、西瓜を収穫しないと腐ってしまう!。ブロンソンはあくまでも西瓜にこだわります →渋い。

 西瓜のために誘拐されたアルは、いたく自尊心を傷つけられ  →殺してやる。7人だか8人だか殺し、業界では押しも押されぬ殺し屋が西瓜と同列で扱われるのですから、その怒りはもっとも。オレはタダで人を殺したことはないが今度だけは別だ。オレは『ゴッドファーザー』にも出た悪役だ!、と云うわけです。
 アルはまんまとブロンソンから逃げ出し、ふたりの息詰まる対決が始まります。ここからは、いつものチャールズ・ブロンソンが活躍するという次第。で、お薦めかというとかなり苦しい。B級映画の好きな方であれば、それなりに楽しむことができます。

 B級映画の楽しみ方とは、ツッコミを入れず、製作側がサービスしてくれる、すなわち力が入っているシーンを素直に観ることだと思います。この映画では、まずチャールズ・ブロンソンとアル・レッティエリの落差でしょう。特に、アルのガサツで粗暴なチョット足りない悪役ぶりです。このキャラクーあっての『マジェスティク』です。脇役は、ヒロインとしてブロンソンにからむリンダ・クリスタルとチンピラのコーパスを演じるポール・コスロ。リンダ・クリスタルの方は、女気無しというわけにはいかないので無理矢理作ったキャラクターですが、ポール・コスロのチンピラ振りはなかなかいいです。いかにも小者というキャラクターがよく出ています。『ゴッドファーザー』のジョン・カザールにちょっと似た雰囲気。このアル・レッティエリ、ポール・コスロあってのブロンソンです。
 気合の入っているシーンは、ブロンソンとリンダの乗ったピックアップトラックをアル一味が追うカーチェイスです。なんだそんなもの、とも思うのですが、田舎の道無き道を追いつ追われつのカーチェイスはけっこう迫力があります。

 ということで、なかなかお薦めのB級映画です。チャールズ・ブロンソンは、セルジオ・レオーネの『ウェスタン』がピカイチ、ルネ・クレマンの『雨の訪問者』がそれに続きますね。この人は、正体不明の謎の男というのが、ホントに似合います。

監督:リチャード・フライシャー
出演:チャールズ・ブロンソン、アル・レッティエリ 


タグ:BSシネマ
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