映画 ロビンとマリアン(1976米英) [日記(2015)]
ロビン・フッドにショーンコネリー、マリアンにオードリー・ヘプバーン、ノッティンガムの悪代官にロバート・ショウという豪華配役です。ロビン・フッドは伝説上の人物ですから、どのようにでも描けます。『ロビンとマリアン』は、とても颯爽とは言えない中年のロビン・フッドを主人公に据え、その死までを描いています。従ってマリアンも中年、47歳のオードリー・ヘプバーンが演じています。
ロビン(ショーン・コネリー)とリトル・ジョンは、リチャード1世に従って十字軍の遠征に参加し、その後リチャードとともにフランスでフィリップ2世と戦っています。ロビンは、領主が逃げてしまい、女子供だけとなった城を攻めろと命令されてこれを拒否、牢屋に繋がれます。この城攻めで、敵の放った矢でリチャードはフランスの地で亡くなり、ロビンは20年ぶりに英国に帰り、ロビン・フッドの物語が始まるわけです。
リドリー・スコットの『ロビン・フッド』では、リチャード1世が亡くなるところまでは同じですが、ロビン・フッドはリチャードの王冠をノッティンガムの領主ロクスリーに代わって英国に運び、ロクスリーの父親の要請でロクスリーの妻・マリアンと結婚するというストーリーでした。『ロビンとマリアン』では、ロビン・フッドはすでにシャーウッドの森の「義賊」、マリアンと結婚してロクスリー家の後を継ぐという話はありません。
ロビンが故郷のノッティンガムに帰ると、恋人マリアン(オードリー・ヘプバーン)は修道院に入ってシスター(マザー)になっています。『尼僧物語』のオードリー・ヘプバーンも綺麗でしたが、目尻のシワは隠せませんがこちらの尼僧姿もなかなかのものです。
リチャードが亡くなったので、イングランド王は弟の失地王ジョン。このジョンは、折角手に入れたフランスの領地を失うは、ローマ教皇と揉めて破門されるは、12歳の妻に入り浸りというがどうしようもない王様。マリアンから修道院を取り上げようという最中にロビンが帰ってきたわけで、ロビンvs.悪代官(ロバート・ショウ)の構図となります。
ロビンとリトル・ジョンは、代官から捕らえられた尼僧たちを救い出しますが、これがケッサク。一応ヒーローですから城の兵士たちと戦うわけですが、もうヘロヘロの戦いぶり。こんなことはもうやりたくないと言ってます。後に、イングランドの領主を糾合してジョン王と戦えと仲間に言われますが、もう歳だからと逃げ、およそ覇気に欠けるロビン・フッドの物語です。悪代官のロバート・ショーの方が余程意気軒昂。
リドリー・スコットの『ロビン・フッド』では、マグナ・カルタ辺りまで描かれましたが、『ロビンとマリアン』では悪代官と一騎打ちで幕。ロビンはこの一騎打ちの傷が元で亡くなりますが、その死がまた謎。何とマリアンに殺されます...。
リドリー・スコット版を見ていますから、映像のスケールでは物足りませんが、こっちは「ロビンとマリアンの物語」です。で、面白く無いかと言えばそうでもなく、等身大の「ロビン・フッド」というのはリアリティがあって、これはこれで面白いです。
監督:リチャード・レスター
出演:ショーン・コネリー オードリー・ヘプバーン ロバート・ショウ
タグ:BSシネマ
BSの録画を見ました。豪華キャストがもったいない感じでしたが、中世の時代劇として楽しめました。
ちなみに前述のサトクリフはロビンフッドの物語も書いていて、尼僧に裏切られ放った矢の処に埋めてくれというエピソードはその中のものだそうです。
by Lee (2015-10-12 01:41)
中年のロビン・フッドもなかなか味がありますね。
by べっちゃん (2015-10-12 08:08)