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映画 白い肌の異常な夜(1971米) [日記(2015)]

白い肌の異常な夜(続・死ぬまでにこれは観ろ!) [DVD]
 原題、The Beguiled。
 南北戦争当時の話です。重傷を負った北軍兵士マクバニー(クリント・イーストウッド)は、森のなかでキノコ採りに来ていた少女に助けられます。マクバニーが運び込まれたのは、生徒6人、教師2人の小さな寄宿学校。女性の園に男が闖入したのですから、『白い肌の異常な夜』です(笑。

 南軍の支配下にある寄宿学校が北軍兵士を匿うわけにはいかず、取り敢えず傷が癒えたら南軍に引き渡そうということで校長のマーサ(ジェラルディン・ペイジ)以下教師と生徒はマクバニーを看病することになります。女性ばかりの集団に男が紛れ込んだのですから、寄宿学校の秩序と静謐さが少しづつ失われてゆきます。この映画の主題は、この秩序の崩壊の果てに現れてくるもの映画の主題です。

 敵兵を保護することに反対意見も出ますが、マクバニーを助けた12歳の少女エニーは興味津々。17歳のキャロルはマクバニーを誘惑し、22歳の教師エドヴィナは同年代のマクバニーを意識しだし、40代の校長マーサはマクバニーに禁断の関係のあった兄を重ねます。

 一方のマクバニーはというと、戦場という男の世界から女護が島に降りてきた世之介みたいなもので、エドヴィナと結婚の約束をするかと思うと年増のマーサを口説いたり、やりたい放題。男性不信だったエドヴィナはマクバニーの虜となり、校長として威厳とマクバニーに傾斜してゆく女心の間で揺れ動き、遂にマクバニーを誘惑します。農園を営みながら学校を運営するマーサにとって、マクバニーは労働力として打って付けの存在だという打算もはたらいたわけです。

 キャロルの誘惑に負けたマクバニーは彼女の部屋に忍び込み、エドヴィナに見つかって階段から突き落とされます。まぁ自業自得。ここから面白くなります。マクバニーは複雑骨折し、マーサは、壊疽になると命を落とすからとマクバニーの片足を切り落とします。北軍の兵士を匿っているわけですから医者を呼ぶことも出来ず、エドヴィナ、キャロルとともに「手術」を断行します。ノコギリで片足を切断するのですから、マーサの執念は凄まじいものです。片足を切り落とし、マクバニーをこの学校に閉じ込めようとしたのです。
 マクバニーは女の園から脱出することが出来たのか?...というサスペンスです。

 主役は、クリント・イーストウッドではなくマーサを始めとする女性たちで、「女は怖い!」という映画です。監督は『ダーティー・ハリー』のドン・シーゲル。さすがペキンパー、クリント・イーストウッドの師匠で、お薦めです。

監督:ドン・シーゲル
出演:クリント・イーストウッド ジェラルディン・ペイジ
タグ:BSシネマ
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