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読書感想文の書き方 書き出し [日記(2016)]

漂流 (新潮文庫)スローカーブを、もう一球 (角川文庫)海賊とよばれた男(上) (講談社文庫)
 
 
 
 
 
 
 
   
 
 この時期「アクセス解析」を見ると(毎夏のことですが)
、アクセスは「読書感想文」に集中しています。検索ワードを見ると、「読書感想文の書き方」とともに「書き出し」がありました。 本を読んで、いざ原稿用紙に向かうと何から書き出してよいのか...、これは以外と盲点かも知れません。あまり意識したことはないのですが、自分はどう書いているんだろうと興味があったので、引き抜いてみました(「読書感想文」を意識して書いたものだけです)。
 
小林多喜二 『蟹工船』・・・要約型
 『蟹工船』はカムチャツカの沖で蟹を獲り(北洋漁業)、それを缶詰に加工する蟹工船「博光丸」を舞台に、劣悪な環境と安い賃金で酷使される労働者が人間的な待遇を求めて指導者のもと団結し、ストライキに踏み切る姿を描いた、プロレタリア文学の代表作と言われています。

芥川龍之介 『藪の中』・・・ストーリーの冒頭利用
 時代は平安末期、ひとりの武士が妻と共に旅の途中で殺されます。その殺人事件の犯人として盗賊の多襄丸が逮捕され、当時の警察、検非違使の取り調べが始まります。

山際淳司 『スローカーブを、もう一球』・・・要約型
 本書は、タイトルにもなっている『スローカーブを、もう一球』を始め、『江夏の21球』など、8篇のスポーツ・ノンフィクションを集めています。『スローカーブを、もう一球』は、群馬県立高崎高校が、1981年の春のセンバツに出場した物語です。
 
須川邦彦 『無人島に生きる十六人』 ・・・要約型
 明治31年12月28日、3本マストの海洋調査船(といっても乗組員16人、800トンの)龍睡丸が、小笠原諸島方面の漁業の調査のため東京から出航します。龍睡丸は、翌年の1月17日に新鳥島付近で嵐に遭遇し、ハワイで修理を終え日本に引き返す途上でまたも嵐に会い遭難します。

坂口安吾 『ラムネ氏のこと』・・・作家紹介型
 坂口安吾について
 太宰治、織田作之助、檀一雄たちとともに、「無頼派」と呼ばれる作家です。彼らは敗戦後まもなく、小説の主流であった志賀直哉に代表される身辺雑記に近い私小説を否定し、物語性(面白さ)を重視した小説(文学)を次々と発表したしたことから「新戯作派」とも呼ばれます。

藤沢周平 『蝉しぐれ』・・・要約型
 海坂藩の下級武士、牧助左衛門の子・文四郎を主人公に、15歳から18歳の成長を描いています。文四郎の成長をドラマチックにするために、作者は様々な試練を与え、その試練を乗り越えてゆく様子を描きます。

吉村昭 『漂流』・・・要約型
 天明5年(1785年)、土佐の三百石船の水主・長平の13年に及ぶ漂流物語です。主人公の長平は、野村長平として記録され故郷(高知県香南市)に銅像まで建っていますから、長平の語った漂流物語は記録され、伝承として残っていると思われます。

笹本稜平 『春を背負って』 ・・・本の紹介型
 奥秩父の山小屋「梓小屋」の小屋主・長嶺亨と小屋を手伝う66歳の多田悟郎(ゴロさん)を主人公とした短篇集です。主人公たちが山小屋の住人ですから、小説は山にまつわる出来事、事件です。

遠藤周作 『沈黙』 ・・・要約型
 永年間、幕府のキリスト教弾圧によって棄教したポルトガル宣教師が神の存在を問う、カトリック小説です。1633年長崎、宣教師クリストヴァン・フェレイラが「穴吊りの刑」によって棄教した知らせが教皇庁にもたらされます。

百田尚樹 『海賊とよばれた男』・・・要約型
 民族資本の石油元売り会社、出光興産の創業者出光佐三をモデルとした国岡鐵造の一代記です。明治40年の東北旅行で秋田の油田を見学してより石油に取りつかれ、以来70数年、石油一筋の反骨の人生が描かれます。

 だいたい本の中身の要約、紹介です。「この本は一言で言えば」と総論で書き始め、個々の各論に入ってゆくのが常道だと思われます。坂口安吾『ラムネ氏のこと』は、作家の紹介から入っています。これは『ラムネ氏のこと』が評論であり、無頼派と呼ばれた坂口安吾から始めた方が、レトリックが伝わると考えたからでしょう。『スローカーブをもう一球』『春を背負って』は短編集ですから、本の紹介から入り、その中で面白かった一編を紹介しています。
 書き出しの型を追加すれば、こんなことも考えられます、 

独白型
この本は面白い!。どこが面白いかというと...云々。面白くなかった理由でも、納得出来なかった箇所でもいいでしょう。
選択理由型
この本を読んだ理由は...云々。教科書に載っていた作家だから、友達に薦められたからなどいろいろあると思います。

 「感想文」はいきなり書き始めると後が続きません。本が章から成り立ち、物語がエピソードの積み重ねから出来上がっているように、「感想文」も幾つかの小さな感想を組み合わせると書きやすいと思います。メモ用紙を何枚か用意し、本を読みながら思い付いた感想をメモ用紙に書き付けます。気の利いたことを書く必要はありません。どんな箇所に何を感じたか、心を動かされたかを書き留めます。反対意見であってもいいでしょう。
 重要なことは、メモ用紙一枚にはひとつ感想だけを書くことです。感想が2つあれば2枚に分けます。本を読み終わる頃には十数枚のメモ用紙が出来上がっていると思います。これを机の上に並べ、全体として意味が通るように並べ替えます。メモ用紙とメモ用紙を接続詞で結べば感想文が出来上がります。メモ用紙の代わりパソコンやスマホを使ってもいいでしょうが、並べて組み換えが出来るということでは、メモ用紙が一番です(専用ソフトやアプリもあるようですが)。読書感想文の書き方kj法kindleで源氏 もご参照。
 ここから始めに戻って「書き出し」を書くというのありですね。

タグ:読書
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コメント 2

Lee

メモ用紙の活用は目からうろこでした。どうしても書きたいことを順番に書いてしまいがちですが、分割ネタを再構成すれば長い文章にも対応できそうです。
by Lee (2016-08-20 22:58) 

べっちゃん

誰でも頭のなかでやっていることを、メモ用紙で顕在化させただけです。結構使えます。
by べっちゃん (2016-08-21 00:03) 

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