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映画 郵便配達は二度ベルを鳴らす(1946米) [日記(2018)]

郵便配達は二度ベルを鳴らす(1946年版) [Blu-ray]  『郵便配達は二度ベルを鳴らす』は、1939年、1942年(ルキノ・ヴィスコンティ監督)、1946年(テイ・ガーネット監督、ジョン・ガーフィールド、ラナ・ターナー)、1981年(ボブ・ラフェルソン監督、ジャック・ニコルソン)と4度映画化されています。今回見たのは1946年版、モノクロ。

 フランク( ジョン・ガーフィールド)は、サンフランシスコからサンディエゴへのヒッチハイクの途中、ロサンゼルス郊外のレストランで求人広告を見て働き始めます。主人ニック(セシル・ケラウェイ)の妻、金髪の美女コーラ(ラナ・ターナー)がいたからに他なりません。フランクならずとも、主人を殺してコーラを手に入れようと考えるほど、この若妻はコケティッシュ。初老のニックと若い美人の妻、というわけありの組み合わせがこの映画のキモ。使用人と若い妻による主人殺しという、よくあるサスペンス映画です。
 フランクがコーラを誘い、コーラは拒絶しながらフランクに傾斜してゆく、このあたりが見どころでしょう。

殺人未遂
 当然の如くフランクとコーラは不倫関係となり(1946年の映画ですから、そんな描写はつゆ程もありません)、手に手を取って駆け落ち。ところが、女は甘い夢から覚め現実に立ち戻ります。フランクと駆け落ちしてもどうせ下積みの生活、未だしもレストランのオーナーの妻でいる方が安定した生活を送れるというわけです。恋と安定した生活を両方手に入れるためには →邪魔なニックを殺せばいい...、フランクも「そうだそうだ」。
 コーラとフランクは、ニックが浴室で転倒し頭を打って死ぬという、事故を装った殺人計画を立てます。いざ実行という時に、猫が電線をショートさせて浴室は暗闇となり、転倒はしたものの殺害は未遂に終わります。普通、猫が裸の電線に乗っかて感電死します?。

殺人
 ニックは1週間の入院でこと無きをえますが、このニックのいないバラ色の1週間がふたりに殺人の決意を固めさせます。退院したニックは、寝たきりの姉の介護のためにレストランを売って故郷のカナダに帰ると言い出し、コーラは私をカナダの田舎に閉じ込めて老人の世話をさせるのか、やはり殺すしかない! →そうだそうだ(フランク)。
 今度は、車の事故を装って殺そうということになり、フランクはニックを殴って気絶させ車ごと崖から落とします。車は崖の途中で止まり、さらに落とすためにふたりは車に取り付きます。ニックが乗り込んだ途端車は崖下に真っ逆さま。コーラは道路に戻って助けを求めますが、現れたのは地方検事。ニックの殺害未遂事件を怪しいとにらんだ検事は、三人が車で出かけたのを見て後をつけてきたのです。この検事は、ヒッチハイクのフランクをニックのレストランに運んだ因縁の男。

法廷
 ここから映画は法廷モノとなります。フランクとコーラが共謀してニックを殺したと告発する検事とコーラが雇った弁護士の法廷劇。但し荒っぽい筋書でサスペンス感は無し。ともかく検事と弁護士の司法取引でコーラは過失致死で執行猶予。フランクはコーラを告訴して殺人に無関係を装い →無罪。ふたりはレストランに戻りますが、若い男女がひとつ屋根の下で暮らしているのはよくないとかなんとかで世間の目を誤魔化すために結婚します。この方がよっぽど怪しい。結婚は、世間の目を誤魔化すどころか、フランクがニックを殺してレストランとコーラを手に入れたことを告白しているようなものですが...。

落ち
 人をひとり殺したのですから、結婚してもふたりの関係はギクシャク。そうこうするうちにコーラはフランクの子供を妊り、ふたりは和解します。和解の儀式のため海に泳ぎに行き、コーラは自力で戻れない沖にまでフランクを誘い出します。殺すつもりなら置き去りにしろとフランクを試し、彼はコーラを岸まで運び愛を証明します。
 好事魔多し。その帰路、二人の乗った車は事故を起こしコーラは死亡。検事はフランクをコーラ殺害の容疑で起訴し、フランクは無実を主張します。検事は、共謀してニックを殺したというコーラのメモ(観客には明らかにされない)をフランクに見せます。コーラ殺しが無罪となっても、ニック殺しで有罪となるわけです。フランクは、愛するコーラ殺害よりもニック殺害で死刑になることを選びます。ここで、フランクはタイトルの「郵便配達は二度ベルを鳴らす」話をします。手紙を心待ちにしている時、一度目のベルは聞き逃すことがあっても二度目のベルは決して聞き逃さない、と。分かったような分からない話です。

 恋人とともに邪魔な夫を殺す悪女の話なのか、悪女に惚れた男の純情の話なのか...。あれこれ盛り込んで冗長です、法廷のエピソードを明らかに蛇足。4度も映画化されていますから、製作者にはよほど魅力のある素材なのでしょう。有名な映画ですから見ておいて無駄にはなりませんが、あまりおもしろくないです。ただしスラナ・ターナーは一見の価値ありです。

監督:テイ・ガーネット
出演:ジョン・ガーフィールド ラナ・ターナー セシル・ケラウェイ

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