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映画 キネマの神様(2022日) [日記 (2022)]

キネマの神様 [DVD]  「映画」そのものをテーマとした映画は数多くあります。映画の持つロマンティシズムをベースに、映画の製作に携わる人々や映画館に集う人を哀感をもって描いたものが多いようです。郷愁を込めて「キネマ」「シネマ」という言葉が使われ、代表が『ニュー・シネマ・パラダイス』。『キネマの神様』もそうした一編です。

 話は何のヒネリも無く、1950年代の松竹蒲田撮影所の青春と彼彼女の半世紀後の物語です。主人公は、監督助手のゴウ(菅田将暉)、テラシン(野田洋次郎)、撮影所の面々が通う食堂の看板娘・淑子(永野芽郁)。原節子、小津安二郎に相当する?桂園子(北川景子)、出水宏監督(リリー・フランキー)も登場します。

 ゴウは監督を目指し脚本を書き、テラシンは己の才能に見切りを付けて好きな映画を上映する映画館を持つ夢を語ります。青春ですから恋があります。テラシンが淑子に惚れ、淑子はゴウに恋する三角関係。ゴウは脚本「キネマの神様」を書き監督デビューを果たしますが、あえなく失速。「キネマの神様」は、映画のヒーローがスクリーンから抜け出し観客の女性と恋におちると云うもの。こrが映画のオチとなります。

 半世紀が経ち、ゴウ(沢田研二)はアル中でギャンブル依存症の後期高齢者。テラシン(小林稔侍)は夢が叶って小さな映画館「テアトル銀幕」のオーナーとなり、かつて所属した出水組の桂園子主演映画を上映しています。フィルムのリールを映写機に掛ける昔ながらの映画館で、何処かで見たような映写室が描かれます。
 淑子(宮本信子)は、パートとして「テアトル銀幕」で働き、アル中でギャンブル依存症の夫・ゴウの借金の尻拭いに追われる日々。松竹蒲田撮影所の輝ける青春も、半世紀経つと酒とギャンブルの日々となります。

 と、云う前提で本題に入るわけです。テラシンがゴウの孫・勇太に脚本「キネマの神様」を見せ、勇太はこれをアレンジしてゴウ名義で脚本コンテストに応募。見事最優秀作となり、監督になれなかったゴウは78歳の新人脚本家となります。コンテストの優勝賞金100万円!、これで借金が返せる →折からのパンデミックの緊急事態宣言で客足の途絶えた「テアトル銀幕」は、その100万円で救われます。都合よく出来ています。

 オチは脚本「キネマの神様」。「テアトル銀幕」で懐かしい映画を観ているゴウの元に、桂園子がスクリーンから現れゴウを映画の世界に誘い、ゴウは映画館のシートで眠るように亡くなるわけです。
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 キャメラ、カチンコ、原節子に小津安二郎と郷愁の映画愛が満載で、山田洋次の想いの丈は分かるんですが…。50本作られた山田洋次の代表作『男はつらいよ』は、マンネリズムの持つ「安心感」で成り立っています。『キネマの神様』もまた同様で、マンネリを安心と感じるか陳腐と感じるかは、見る人によるでしょうね。ゴウ役は志村けんが予定されていたようですがコロナに感染したため沢田研二に変更になった様です。志村が演じれば映画の印象もまた変わったでしょう、残念。
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松阪市にある小津安二郎 青春館(自転車で行きました

監督:山田洋次
出演:沢田研二、菅田将暉、永野芽郁、野田洋次郎、リリー・フランキー、北川景子

タグ:映画
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