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映画 ベティー・ブルー(1986年仏) [日記(2009)]

ベティ・ブルー インテグラル リニューアル完全版 [DVD]

ベティ・ブルー インテグラル リニューアル完全版 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: DVD
 冒頭のセックス描写で度肝を抜かれますが、中身は純愛映画。天真爛漫なのか異常なのか、正気と狂気の狭間で揺れるベティー(ベアトリス・ダル)と、ベティーにハマッってしまったゾルグ(ジャン=ユーグ・アングラード)のラブストーリーです。ベティーの様な女性にハマルと最後はこうなるんだろうなぁ、と云う結末で終わります。

 とりあえず、徹頭徹尾ベティーの映画です。ゾルグのモノローグで始まり、ゾルグのモノローグで終わりますが、独白はベティーについての独白です。このベティーですが、間違っても彼女にしたいタイプではなさそうですが、男はベティーのような小悪魔的な女性には弱いんですね(^^;)。取りあえずワガママ。気に入らないことあると、家中のモノというモノを窓から投げ捨て、挙げ句の果ては二人が住むバンガローに火を付けて燃やしてしまう、という凄さです。どのくらい魅力的かと云うと,ゾルグ書いた小説を徹夜して全部読み、この何十冊かのノートをタイプで清書しパリの全出版社に送りつけるということまでします。

 キャッチコピーは『愛と激情の日々』ですが、随所にユーモアと云うかエスプリにあふれています。ベティーから妊娠を告げられた日、ゾルグは仕事の途中でスピード違反で警官に捕まります。その言い訳が『自分はもうすぐパパになる』というもので、捕まえた警官もどうやら『もうすぐパパ組』らしく、『父親は現代の冒険家だ』とか何とか云って歌を歌い出して無罪放免。ゾルグの車に何時までも手を振るロングショットがあったりします。ゾルグは、次第に精神に異常を来してくるベティーに島を買ってやろうと強盗をやるんですが、これが女装の強盗です。ちょっと違和感はありますが、深刻な展開にユーモアで味付けをしたかったんでしょうね。

 この映画にはけっこうイイ人たちが登場します。ベティーにバンガローから突き落とされるバンガローのオーナー、パリで住まいを提供してくれるリザとその恋人エディ。エディーは後半の舞台を用意する重要な登場人物です。ゾルグの面倒を見てくれる食料品店のオヤジと色情狂の妻・・・などなど、愉快で滑稽な登場人物もこの映画の魅力であり、ベティーとゾルグの物語を映えさせる重要な遠景でしょう。

 冒頭で、ゾルグはチリ料理をし湯気の立つ鍋の描写があります。エンディングでも、同じシーンがあり、ベティーの居なくなった部屋で鍋が湯気を立てています。人間は食わないと生きてはいけない、と云っているのかどうか。食うという行為でゾルグの再起を暗示しているのか、純愛映画にしては即物的なエンディングですね。

 CGもアクションもありませんが、人間をじっくり描くフランス映画はいいですね。

監督:ジャン=ジャック・ベネックス
キャスト:
ベアトリス・ダル
ジャン=ユーグ・アングラード

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