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映画 アンジェラ(2005年仏) [日記(2009)]

アンジェラ スペシャル・エディション [DVD]

アンジェラ スペシャル・エディション [DVD]

  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • メディア: DVD








 リュック・ベッソンは『アーサーとミニモイの不思議な国』でちょっと裏切られたような気になり、『アンジェラ』を観てみました。だいたいのストーリーは知っていましたが、モノクロ!とは知りませんでした。2005年に全編モノクロというのも、大監督ベッソンだからできる贅沢なのでしょう。

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 映画の一シーンですが、リュック・ベッソンの意図が一目瞭然です。それにしてもこの凸凹コンビをよくも揃えたものです。言っては申し訳ないのですが、ジャメル・ドゥブーズは、チビで醜男で金も意気地もないという不幸を背負ったアンドレにぴったりのイメージです。かたやアンジェラ役のリー・ラスムッセンは180cmの金髪美人でスーパーモデル。『アンジェラ』は、このちぐはぐなコンビが織りなすラブ・ロマンスです。

ここからネタバレ反転・・・ドラッグして見て下さい。

 借金で進退窮まった醜男のアンドレの前に金髪の美女アンジェラが現れ、彼を助けるのですから、これはもう男性にとっては『究極の夢』ではないかと思います。さらにアンジェラは本物の『天使(背中に羽根の生えた天使)』で、アンドレの借金のために金を作ってくれ、アンドレの心を読んで『あなたの内面はハンサムで知的』だと性格改造までしてくれます。

 鏡の前で、アンジェラがアンドレの心を開かせるシーンはなかなか感動的です。背後から鏡に映るふたりの姿をとらえるカメラが、次第に回り込み、鏡の後からふたりを映します。観客は、鏡越しに正面からアンジェラとアンドレに向かうこととなり、アンジェラはそのまま観客への語りかけます、『人に愛されないと自分を愛するのはむつかしい』。

 アンドレを立ち直らせる任務を終えて、アンジェラは天上に帰ろうとします。この別れのシーンで、一緒に生きてくれと言うアンドレに、アンジェラは『天使には過去がない、自分が誰だかどこから来たのかも分からない。あなたが愛そうとするのは、翼をもがれた堕天使だ』 と言います。天使ですが、地球上で死んだ人間が過去を消されて天使となるようです。アンドレの答えがふるっています、『過去がないなら、未来をプレゼントする』。これはラブロマンスではないですか。
 結果、アンジェラは『堕天使』となるのですが、ふたりの未来はどうなるのでしょうね。リュック・ベッソンは、そこまでは教えてくれません。大人のファンタジーです。

 『ニキータ』、『レオン』、『ジャンヌ・ダルク』、『アンジェラ』の共通点は、人名=タイトル、それと女性です。レオンはジャン・レノが演じる殺し屋が主人公ですが、マチルダ(ナタリー・ポートマン)が重要な役割を担っています(世の中男と女しかいませんが(^^;)。ニキータはマルコの、マルチダはレオンの、ジャンヌ・ダルクはフランスの、アンジェラはアンドレの天使です。リュック・ベッソンはいずれの映画でも、『天使』を描いたのでしょう。ニキータは姿を隠し、ジャンヌ・ダルクは火あぶりとなり、レオンは死んでマルチダは寄宿舎学校へ入りますが、アンジェラの結末は示されていません。

 『アンジェラ』に好意的な評価は少ないようです。ほとんどふたりの会話で成り立つメッセージ性の強い映画ですから仕方がないでしょうが、これ以外に好きです、支持します。 『ニキータ』、『レオン』を観てリュック・ベッソン ファンとなった方にはお薦めです。

【蛇足】
 このDVDは近所のレンタルショップで借りたのですが、なんと『アクション』の棚にありました。レオン→リュック・ベッソン→アクションの発想でしょうね。これは正解なのかも知れません。もし『ラブロマンス』の棚にあったら、普通の人(私)はきっと発見できなかったでしょう。

監督・製作・脚本:リュック・ベッソン
出演:
ジャメル・ドゥブーズ
リー・ラスムッセン


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