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セルジオ・レオーネを見る 『ウエスタン』 [日記(2010)]

ウエスタン スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

ウエスタン スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

  • 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
  • メディア: DVD
 (1968米 Once Upon a Time in the West)
 『ドル箱三部作』に続く、『ワンス・アポン・ア・タイム三部作』の第1作。『荒野の用心棒』から四作目となると、出演者もチャールズ・ブロンソン、ヘンリー・フォンダ、ジェイソン・ロバーズに加えクラウディア・カルディナーレと豪華です。西部劇ですが、意識してマカロニ・ウェスタン色を排除しているのでしょう、ユーモアが後に引っ込んで全体にシリアスな内容となっています。“Once Upon a Time in the West”のタイトル通り、西部劇を昔話とする視点で作られ、アメリカ大陸横断鉄道の建設がストーリーの骨子となっています。大陸横断鉄道の完成は1869年ですから、舞台は1860年代初めの頃です。
 冒頭のシーンが素晴らしい!長いコートを羽織った三人の怪しげなガンマンが駅に現れます。どうやら、汽車で到着する誰かを待ちうけている様子。所在なげに待つガンマンの頬にハエが一匹とまり、男は息を吹きかけたり顔を歪めたりして追い払おうとします。次の血なまぐさいシーンを予感させるこの演技は秀逸です。この俳優さん、名前は知りませんが西部劇ではよく見る顔のような気がします。

【シーン1】駅
 やがて汽笛が汽車の到着を知らせ、三人はプラットフォーム(などないのですが)に出ます。汽車が通り過ぎると不思議なハーモニカの音色とともに現れるのがチャールズ・ブロンソン。三人の仕事はこの男の始末の様です。が、当然の如く三人は撃ち殺されます。
【シーン2】農場。新しい母親
 主人は、汽車でやってくる誰かを迎えにゆくため、3人の子供たちを急き立てています。その誰かとはどうやら、3人の事も達の新しい母親(主人にとっては妻)のようです。突然五人の男が現れ、主人と3人の子供を次々と撃ち殺します。最後に幼い男の子を撃ったのは、何とヘンリーフォンダ。エッ、ヘンリーフォンダが悪役やるの!です。
【シーン3】駅
 到着した汽車から降り立ったのはクラウディア・カルディナーレ!。出迎えが現れない様子から、女性は先ほど殺された子供たちの新しい母親らしいことが想像されます。彼女は馬車を雇って農場へと向かいます。
・・・と書いてもこの映画の導入部分の素晴らしさは、何も伝えられません。
 『ウェスタン』は、西へ延びる鉄道と、鉄道が象徴する近代化の波に取り残される西部のガンマンの物語です。暴力と無法の世界が鉄道という秩序に飲み込まれ、西部というフロンティアが消滅してゆく世界です。セルジオ・レオーネは、『ウェスタン』で哀感を込めてこの西部と西部劇に幕を引こうとしたのでしょう。
 音楽はレオーネの常連であるエンニオ・モリコーネ。不思議なハーモニカ(ではないと思いますが)の旋律と、もの悲しいバンジョー音色が印象的です。脚本に『ラスト・エンペラー』のベルナルド・ベルトルッチが加わっています。

監督:セルジオ・レオーネ
脚本:ベルナルド・ベルトルッチ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演者:
チャールズ・ブロンソン
クラウディア・カルディナーレ
ヘンリー・フォンダ
ジェイソン・ロバーズ

《ドル箱三部作》

《ワンス・アポン・ア・タイム三部作》
1968年 ウエスタン・・・このページ


タグ:映画
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