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映画 タクシー・ドライバー(1976米) [日記(2010)]

タクシードライバー コレクターズ・エディション [DVD]
 原題、Taxi Driver。1967年、『俺たちに明日はない』で始まったアメリカン・ニューシネマの最後を飾る作品と言われています。

 NYの夜の街を流すタクシードライバー、トラヴィス( ロバート・デ・ニーロ)の物語です。学歴も手に職もない元海兵隊員がてっとり早く収入を得ようとすると、タクシー運転手それも夜勤という選択になるようです。
 夜のNYで乗客を選ばず、何処へでも客を運ぶ(無鉄砲、投げやりと言うこと)トラヴィスが我々を案内するNYは、麻薬、売春、殺人などが横行する1970年代のもうひとつのアメリカです。

 都会の片隅で目的も無く生きる26歳のタクシー・ドライーバーの恋の相手が、大統領選挙選の運動員ですから、脚本は残酷です。強引に口説いた末の初デートがポルノ映画館で、予定通り振られます。

 その大統領候補がトラヴィスのタクシーに乗るというご都合主義があり、トラヴィスはNYの悪を水洗トイレのように流してくれと訴えますが、これもあっさり袖にされます。で、トラヴィスのとった行動は拳銃の入手と体の鍛練。大統領候補が何もしてくれないのなら自分で何とかするというわけです。

 アメリカン・ニューシネマの主人公達は、アンチ・ヒーローというヒーローだったのですが、トラヴィスはアンチ・ヒーローでさえなくカリカチュアです。揃えた拳銃が44マグナムのレヴォルバー、ダーティハリーです。
 最後は華々しく散る、というのがアメリカン・ニューシネマの定石です。トラヴィスは44マグナムを持って乗り込み派手な銃撃戦を演じますが、死にはしません。トラヴィスの死体のロングショットで終わるのかと思ったら、まだ続きます。彼は生還してマスコミのヒーローとなり、トラヴィスを振った大統領選挙選の運動員が近づいてくる始末。
 さすがマーティン・スコセッシです、『アメリカン・ニューシネマ』に完全に引導をわたしてしまいました。アンチ・ヒーローの本当の死です。

 冒頭のクレジットにジョディ・フォスターとあったので探していたのですが、13歳の売春婦アイリスでした。言われないと気がつきませんね。アイリスのヒモが ハーヴェイ・カイテル。 ロバート・デ・ニーロもそうですが、みんな若いです。

監督:マーティン・スコセッシ
出演者:
ロバート・デ・ニーロ
シビル・シェパード
ハーヴェイ・カイテル
ジョディ・フォスター

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