映画 アザーズ(2001米西仏) [日記(2010)]
『アザーズ』もホラー映画と考えていいと思いますが、ホラー映画は、『出るぞ出るぞぉ』というところがホラーであって、どんな怪物も幽霊も出てしまえば怖くも何ともありません。そう言う意味で、この映画は最期まで『怖い』です。
舞台が、1945年のチャネル諸島(英)ジャージー島の古い屋敷。こんな所が英国領なんですねぇ(↓ご参照)。映画の中でも、ナチスが来ても屋敷に入れなかったというセリフがありますが、ほとんどフランスです。ヒロイン・グレースの設定上(外部と隔絶されている、夫が生死不明で幼い子供抱えている)、1945年、ジャージー島が選ばれたんでしょうか?
スタートから謎の連続です。冒頭、老女(フィオヌラ・フラナガン)と若い女、庭師の老人の3人が屋敷の使用人として雇われます。屋敷の住人は女主人(ニコール・キッドマン)と幼い娘のアン、息子ニコラスの3人。
姉弟は日光にあたると炎症をおこす特殊な病気のため、屋敷の窓はカーテンで閉め切ったままで、何故か、ドアにはすべてべて鍵をかける習慣があり、音楽室のピアノは絶対に触ってはならない等々の奇習の中で3人は生活しています。屋敷で働いていた使用人はある日突然姿を消し、新たな使用人が雇い入れられたわけですが、なんとこの3人はグレースが新聞に募集広告を載せる前に現れる云う手際の良さ。おまけに、3人はかつてこの城で働いていたことが明らかにされます。
謎の使用人の登場に続いて、娘のアンが、この家には自分たち以外に誰か(The Others)がいることを感じ取り、彼らの姿を見たことを告げます。
いやもう、冒頭から思わせぶりな謎だらけ。得体の知れない使用人と怪異現象の中で、ニコール・キッドマン演じる美しい母親が幼い子供を健気に守りますから、『見せます』。
最期の『どんでん返し』もさることながら、幼い子供を抱きしめてグレースが『ここは私たちの家』と唱える結末には、涙します。(中年のオッサンが)何故涙するのかネタバレで言えませんが、アレハンドロ・アメナバール(監督・脚本)が2010年の現実まで見渡していたとは思いませんが、昨今の日本でこそ存在意義のあるテーマかも知れません。ひと味違ったゴシック・ホラーです。のお薦めです。
音響が恐怖をかき立てますから、ホラー映画には、5.1チャンネルがお薦めです。
ジャージー島
冒頭 ラスト
監督:アレハンドロ・アメナバール
出演:ニコール・キッドマン、フィオヌラ・フラナガン
タグ:映画
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