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映画 ココ・アヴァン・シャネル(2009仏) [日記(2010)]

ココ・アヴァン・シャネル特別版 [DVD]
 ココ・シャネルを見たので、今度は『ココ・アヴァン・シャネル』です。avantを辞書にあたると『前』だそうですから、Coco avant Chanelで『シャネルになる前のココ』、若き日のシャネルを描いていることになります。ファッション・デザイナーのしかもラブ・ストーリーですから女性向けの映画でなくもないんですが。

 何故また2009年に2本もシャネルの伝記映画が上映されるんでしょうか。便宜上、『ココ・シャネル』をバルボラ編、『ココ・アヴァン・シャネル』をオドレイ編と呼びます。

 でこの2本どうしても比べられますね。バルボラ編は年老いたシャネル(シャーリー・マクレーン)の回想という建て付けで、シャネルの戦後のカムバックを扱っていますが、オドレイ編はシャネルの事跡をストレートにたどり、パリで成功する時点で終わっています。どちらも、時代の先端を走った自立する女を、エティエンヌとボーイとの恋を交えて描いています。

 2本見てやっと分かったのですが、CoCoは「コケコッコー」のCoCoなんですね。オドレイ編では歌手としてのココ(シャネル)がしっかり描かれ、エティエンヌがボーイにココの謂われを説明しています、なるほど。ココ・シャネルがお針子であり且つ歌手(どっちかと云うと芸人)であった辺りがよく分かります。さらに、ココがエティエンヌと知り合い、彼の城に滞在することになった経緯も、オドレイ編の方が「ありそう」な話しです。バルボラ編ではエティエンヌが口説き、オドレイ編ではココが押しかけたことになっています。バルボラ編の方が演出を効かせてうまくまとめています。従って、オドレイ編のエティエンヌはブノワ・ポールヴールドという中年のオッサンを起用しています。エティエンヌの城で開かれるパーティーの出席者でデザイナー・ココ・シャネルの第一発見者であるエミリエンヌ・ダランソンも、実はこういう人物なんですねぇ。
 パーティーそのものも怪しい雰囲気で、この有閑貴族エティエンヌを描く事によって、教会の救済院で生まれ、修道院の孤児院で育ったココが如何にデザイナーとして成功したかが辛口に語られています。ボーイとの出会いも結構露骨で、ココがエティエンヌの城に滞在中ボーイに『貸し出される』わけです。後年のココ・シャネルの姿(Wikipedia)をよく捉えていると思われますが、エドモンド・シャルル=ルーの原作はどう書いているのでしょう、気になります。
 こういうサイトがありますが、

 シャネルを本当に変えたのは、当時のパリの社交界を代表したミシア・セール(本書ではミジア)だったろう。ドビュッシー、ロートレアモン、プルースト、ロシアからバレエ団リュスを引き連れてきたディアギレフ、ピカソ、ストラヴィンスキー、そしてジャン・コクトー。みんながみんなミシアの美貌と感覚に酔わされた。そのミシアがシャネルを引き立てるのだ。
 ミシアの社交がなかったなら、シャネルはココ・シャネルにならなかった。

ココ・シャネルの秘密 (ハヤカワ文庫NF)
この辺りですね。それと、第2次世界大戦から戦後のスイス逼塞の空白の15年です。
で、映画なんですが結論から言うとどっちもドッチ。ネタバレ映画館としては、小綺麗にまとまったバルボラ編よりも幾分辛口のオドレイ編『ココ・アヴァン・シャネル』を押します。

監督:アンヌ・フォンテーヌ
出演:オドレイ・トトゥ ブノワ・ポールヴールド アレッサンドロ・ニヴォラ





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 ココ・シャネル                    ココ・アヴァン・シャネル
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