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映画 パリは霧にぬれて(1970仏) [日記(2010)]

パリは霧にぬれて [DVD] 原題はLa Maison Sous les Arbresで『木の下の家』?。どんな意味があるのか分かりませんが、配給会社がヒネリにヒネッた邦題『パリは霧にぬれて』からは、映画の中身はまったく想像できません。それと、ロンドンやサンフランシスコなら分かるのですが、パリも霧の名所なんですか?確かに映画の冒頭は霧のシーンですが。
 雨の訪問者狼は天使の匂い同様洒落たサスペンスです(不思議の国のアリスからの引用はありませんが)。主演は『俺たちに明日はない』のボニー、フェイ・ダナウェイ。

 パリに住む若いアメリカ人夫妻、ジル(フェイ・ダナウェイ)とフィリップ(フランク・ランジェラ)。ジルは仕事にのめり込む夫とのすれ違いや異国で暮らす心労から神経症気味。夫の会社に勝手に辞職の電話を入れたり、同じ服を二度買ったり、傘を借りた事実が思い出せなかったりで、医者のカウンセリングを受けています。
 映画は、少し精神に変調をきたしたジルとふたりの子供の日常をゆっくりと追います。特に若い母親と幼い息子の交情は見ていて微笑ましいです。事件が起こるまでのこの部分が長いですが、後半のミステリを盛り上げる伏線ですから我慢して見ましょう(笑。フェイ・ダナウェイのソフトフォーカスの映像は、彼女の精神を病んだ?美しさをあますところなく捉えています。

 サーカスを見に行った帰り、ジルが眼を離したすきにふたりの子供が行方不明となり、やっとストーリーが動き出します。警察は、誘拐と精神を病んだ母親による殺人の両面から捜査を開始します。子供を誘拐したのは誰なのか?はたまた子供は母親に殺されたのか?サスペンスですからこの辺りでstop・・・。

 ストーリーが動き出すまでが長い、サスペンスにしては緊張感が足りない等々映画として冗長なところもありますが、欠点を補って余りあるのがフェイ・ダナウェイ。若い母親の優しさと不安を好演しています。

『太陽がいっぱい』(アラン・ドロン)
雨の訪問者』(チャールズ・ブロンソン)
狼は天使の匂い』(ロバート・ライアン)
『パリは霧にぬれて』(フェイ・ダナウェイ)

サスペンスに走ってからのルネ・クレマンは何故かハリウッド・スターを使ってますねぇ。ハリウッド資本が仕掛けているんでしょうが、見事に当たっていますね。

監督:ルネ・クレマン
出演:フェイ・ダナウェイ、フランク・ランジェラ

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