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映画 暗黒街のふたり(1973仏伊) [日記(2011)]

暗黒街のふたり ニューマスター版 [DVD] 原題、DEUX HOMMES DANS LA VILLE
 ジャン・ギャバン、アラン・ドロンの競演は『地下室のメロディー(1963)』『シシリアン(1969)』で、タイトルが『暗黒街のふたり』ですから当然ギャング映画を期待しますが、何と社会派映画です。 LA VILLEは「街」ですから暗黒街とはならないのですが、配給会社としてはノワールのイメージを踏襲したいでしょう。

 10年の刑期を終え出所したジノ(アラン・ドロン)とジノの社会復帰を支援する保護司ガズヌーブ(ジャン・ギャバン)の物語です。ストーリーは分かりやすくて、出所して真面目に働くジノを警察は再犯の予断で追いつめ、ジノは恋人につきまとう刑事を殺してしまいます。

 再犯で殺人ですから、保護司ガズヌーブの嘆願の甲斐無くジノは死刑の判決を受けます。この映画で描かれるのは国家権力による暴力と殺人(死刑)です。この映画の製作当時フランスではギロチンが使われていたようで、この残酷な処刑方法そのものに対する批判も含まれていそうです(ギロチンは1977年まで使われ、1981年に死刑そのものが廃止される)。

 ジノを犯罪者と決めつけ更正を阻む刑事や検事の描き方は、見ていてちょっと異常です。逆に云うと、刑事がジノに抱く偏見は、そのままこの映画の警察や権力に対する偏見です。ここによると、監督ジョゼ・ジョバンニは、

 第二次世界大戦中、フランスのレジスタンス運動を支援。戦後ギャングに加わって投獄、戦後犯罪人の増加に対する政府の方針で死刑を宣告されるが、父の尽力により大統領恩赦を受けてまぬがれる。

という経歴の持ち主だそうです。ジョゼ・ジョバンニは大統領恩赦で死刑を免れていますが、ジノは大統領恩赦が無く処刑されます。ジョゼ・ジョバンニは『冒険者たち』の原作者だそうです。

 ジノが処刑されるラストシーンは衝撃的です。

ギロチン1.jpg ギロチン2.jpg

監督:ジョゼ・ジョバンニ
出演:ジャン・ギャバン アラン・ドロン

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