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映画 シャッター アイランド(2010米) [日記(2012)]

シャッター アイランド  [DVD]

舞台は1955年の米本土から遠い?孤島。この孤島の刑務所から3人の子供を殺した女囚が失踪するという事件が起き、連邦保安官テディ(レオナルド・ディカプリオ)とチャック(マーク・ラファロ)が捜査のために島を訪れます。嵐を予感させる天候の中、テディとチャックが島に船で近づく冒頭からもうサスペンスの予感、いやぁ盛り上がります。

 治療のために凶悪犯を集めた孤島の精神病院というのが、サスペンス映画としては最高の舞台ですね。病院を統べるのがコーリー院長(ベン・キングスレー)で、スキンヘッドにボウタイのオスカー俳優登場ですから、もう怪しさ満点。おまけに、テディが体験したナチのユダヤ人収容所の不気味な映像が繰り返し流され、医師のマックス・フォン・シドーにドイツ訛りが指摘されると、これはもう孤島の病院でナチの生体実験が行われているんじゃないかと想像してしまいます。観客は(というか私は)、この導入部分でマーティン・スコセッシの魔術に絡め取られてしまいます、鮮やかな手並みです。

 コーリー院長は、デディにこの病院=刑務所で行われている治療について講義をします。テディが囚人と言うとすかさず「患者」と訂正し、この病院(刑務所)が如何に博愛的で人道的あるかということを強調しています。ベン・キングスレーとマックス・フォン・シドーが出ているんだからそんなことは無いだろうと余計な憶測をするんですが、講義の中にロボトミーの話が出てきて、やはりやっているだ!と思ってしまいます(笑。

 テディは、自宅に放火され妻を殺した人犯がこの病院に収容されていることを聞きこんで、この捜査に自ら志願したようです。死んだはずの妻ドロレスが亡霊の様に何度も画面に登場し、テディに語りかけます。ィテディの幻覚ですね。
 もうひとつ、ユダヤ人強制収容所。テディは連合軍兵士として「ダッハウ収容所」の開放を経験しています。その時に目撃した情景が焼き付いて何度も現れるんでしょうが、母親に寄り添うように死んでいる少女の姿が「何故私を助けてくれなかった」と囁くにおよんで、これは回想というより幻覚です。コイツ分裂症ではないかと?と思うほどテディの異常は強調されます。精神病院の刑務所に分裂症気味の連邦保安官。

 テディによると、(私の予想通り)この刑務所ではロボトミー手術などのナチまがいの人体実験が行われているということで、その実態を探ることがこの捜査の第1の目的であるとチャックに告白しています。この刑務所で実験されかかった証人まで押さえているということです。
 テディは島内を捜査するうちに、洞窟に潜む女性に出会います。この女性こそレイチェルで、3人の子供を殺し孤島の刑務所から失踪した女囚ではなく、この病院の女医です。病院の秘密を知ったために刑務官から追われて島内を転々としていると語ります。コーリー院長は島の秘密を嗅ぎまわるテディに薬を盛り、精神に異常をおこしこの島に閉じ込めようとしているのだと警告します。

 やはり、あのスキヘッドとナチのマッド・サイエンティストはこの島でとんでもないことををやっているんだ、次は何が飛び出すか、期待?に胸は膨らみます...。

 と、マーティン・スコセッシに完全に乗せられて、最後の最後に「どんでん返し」を喰らわせられます。これぞミステリの醍醐味です。『シャッター・アイランド』の解説サイトはたくさんあるので「どんでん返し」と真相はそちらをご参照いただくとして、こういう映画は素直に騙されるほうが楽しいです。

制作・監督 マーティン・スコセッシ
出演:レオナルド・ディカプリオ マーク・ラファロ ベン・キングスレー ミシェル・ウィリアムズ マックス・フォン・シドー

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コメント 2

k_iga

面白そうですね。
予備知識無しでDVDを観てみようと思います。
by k_iga (2012-09-06 21:46) 

べっちゃん

面白いですよ、是非ご覧下さい。
by べっちゃん (2012-09-06 21:53) 

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