BSシネマ 隠し剣 鬼の爪(2004日) [日記(2012)]
原作が藤沢周平、監督が山田洋次ですから安心して見ることができます。『隠し剣鬼ノ爪』と『雪明り』の2編に基づく「海坂藩もの」です。原作は未読ですが、藩命によって親友を討つ話しが『鬼の爪』で主人公と女中の恋物語が『雪明り』なんでしょう。
時代は幕末で、藩は江戸から洋学指南を招いて軍備の近代化を推し進めています。この洋学者は、片桐たち講武所の藩士に英国流の軍隊の規律を教え込もうとしますが、平和に慣れたこの時代の武士には集団で行進することさえ困難。近代が東北の田舎にも押し寄せる様を、ユーモアを交えて描いています。当然、戦争とは刀と槍と弓でするものだという保守層も存在し、開国の波が眠ったような田舎の藩にも迫りつつあるという時代です。
そうした背景のなかで、片桐の女中“きえ”(松たか子)との古風な恋、幕府の開国派と組んで藩改革企て、失敗の末国元に護送された狭間を討つふたつの物語が進行します。
片桐家に女中奉公に来た“きえ”を、片桐の母親は娘を慈しむように行儀作法から裁縫料理まで教えます。成長した“きえ”は街の商家に嫁ぎますが、厳しい労働から病気となり奴婢にも等しい扱いを受けます。これを聞いた片桐は、商家に乗り込み病床から“きえ”を救出し、自宅で療養させます。片桐は肉親の情愛と男女の愛情の間で揺れながら、“きえ”を介抱します。
武士が商家の嫁を奪い取ったわけですから、城下で評判となります。片桐は妹の婚家への配慮もあって、“きえ”を郷里に返します。身分を超えた恋というのも、藤沢周平お馴染みのプロットです。
一方、謀反の罪で国元に護送された狭間が牢を破って民家に立てこもります。片桐に狭間を切る藩命が下り、同門相打つもうひとつの物語が展開します。藩命によって友人を切るというパターンは、藤沢周平お得意のパターンだった様に思います。
秘剣「鬼の爪」によって狭間を倒すんだろうと思ったのですが、さにあらず。実はストーリーにはもう一工夫あって、「必殺仕掛人」が登場します。そして何と、恨みを買って心の臓に一突入れられて殺されるのが藤枝梅安こと緒方拳を殺というオチです。
片桐と“きえ”の身分を超えた恋、 親友同士が剣を交える悲劇も、「必殺仕掛人」で白けてしまいます。緒方拳をもってきたのはサービスなんでしょうが、ちょっとやりすぎではないでしょうか?。
秘剣「鬼の爪」によって狭間を倒すんだろうと思ったのですが、さにあらず。実はストーリーにはもう一工夫あって、「必殺仕掛人」が登場します。そして何と、恨みを買って心の臓に一突入れられて殺されるのが藤枝梅安こと緒方拳を殺というオチです。
片桐と“きえ”の身分を超えた恋、 親友同士が剣を交える悲劇も、「必殺仕掛人」で白けてしまいます。緒方拳をもってきたのはサービスなんでしょうが、ちょっとやりすぎではないでしょうか?。
出演:永瀬正敏 松たか子 小澤征悦 吉岡秀隆
タグ:BSシネマ
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