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ゲイブ・ブラウン 土を育てる(2022NHK出版) [日記 (2024)]

土を育てる 自然をよみがえらせる土壌革命 副題は「自然をよみがえらせる土壌革命」。畑は耕すものと思っていたのですが、耕さない、土を起こさないという「不耕起栽培」という農法があるそうです。著者は、アメリカ、ノースダコタ州で2400万㎡の農園を経営する農園主です。平均3万㎡の日本の農家も2400万㎡の農園も、農業の原則は「土を育てる」ことにある、と言うのがブラウンさんの主張です。我が家の1坪の家庭菜園も同じ?というわけですw。

 1991年、ブラウンさんは奥さんの父親から250万㎡の農場を引き継ぎます。4年間の赤字となり、肥料や農薬も買えず手探りでたどり着いたのが「不耕起農法」だったそうです。この「不耕起農法」によって20年余で農場は10倍に拡大したわけです。成功の源「不耕起農法」とは何か?と言うのが本書です。著者よると、土地を耕すと地中の微生物が減り土地が痩せるから耕さない方がいいそうです。クローバーなど数種類の”カバークロップ”を植えると、植物の根が土中の菌類などを育て土を肥えさせると言います。そう言えば昔は春になると田圃が一面レンゲ畑でした、アレです。園芸でもグランド・カバープランツというのがありますね。原理は、

植物は空気中から二酸化炭素を取り込み、水と結合させて単糖類をつくり出す。この光合成産物”と呼ばれる単糖類は、生命に欠かせない成分で、植物はこれらの糖類を多種多様な化合物に変容させる。 化合物の多くは植物自身の成長に使われるが、相当量は根の先端部(根端)に届けられ、“根滲出物”として地中に漏れ出していく。(p78)

 この滲出物を地中の微生物が食べ、植物と微生物の共生が土を豊かにし通気性、保水性のある「土を育てる」というのです。「不耕起農法」とは土地をひとつの生態系として管理することだ言います。

 これを勝手に解釈すると、庭の雑草をカバークロップと考えるとw、雑草が大きくなっても、「土を耕しているんだ、生態系だ」、と考えればいいわけです。草むしりをサボる口実に最適な本です。カバークロップの代わりにクローバー(シロツメクサ)でも植えてみようかw。

土の健康の5原則
  1. 土をかき乱さない →耕さない
  2. 土を覆う →雑草でもいい?
  3. 多様性を高める → 複数のカバークロップ
  4. 土の中に「生きた根」を保つ →草むしりしなくていい?
  5. 動物を組み込む →せいぜい小鳥か昆虫。害虫を食べてくれる?

タグ:読書
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