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映画 アパッチ(1954米) BSシネマ [日記(2014)]

アパッチ [DVD]
 「映画 アパッチ」で検索すると、ヘリコプター(アパッチ)のアクション映画がヒットします。今回取り上げるのは、バート・ランカスター主演の西部劇『アパッチ』です。

 アパッチ族の戦士マサイと白人の遺恨の戦いを描いています。西部劇が先住民(以下インディアンと書きます)を描く場合、白人を襲う敵役という設定が普通です。これが変わってきたのが、ジョン・フォードの『シャイアン(1964米)』あたりからではないかと思います。白人のインディアン迫害(虐殺)を真正面から取り上げて西部劇の「コペルニクス的転回」を図ったのがラルフ・ネルソンの『ソルジャー・ブルー(1970)』です(だと思います)。
 『アパッチ』が公開された1954年に、(主演がバート・ランカスターとはいえ)インディアンが主役となる映画を作るとなれば、どんな映画になるのか?です。

 アパッチ族がカリフォルニアの居留地に移転させられる話から出発します。ジェロニモの名も挙がってきますから、映画は1870年後半から1880年代の設定です。ジェロニモは、この強制移住を嫌って逃亡を図り、後に居留地のアパッチ族を解放し、白人に苛烈な戦いを挑んでいます。『アパッチ』はこのジェロニモを下敷きにアパッチの戦士マサイを造形した映画です。

 ストーリー自体は単純で、前半はカリフォルニア移送の列車から逃れたアパッチの戦士マサイ(バート・ランカスター)の復讐物語です。マサイを追う騎兵隊に雇われたシーバー(ジョン・マッキンタイア)と、紅一点、アパッチ族の娘ナリンリ(ジーン・ピータース)が配されます。
 マサイはナリンリの父親の裏切りで捕まり、ナリンリを誘拐して逃亡を図ります。ところがマサイとナリンリの間に愛が芽生えてナリンリが妊娠します。この辺りから戦士マサイがマイホームパパになってしまい、荒れ地を耕してトウモロコシを植え、西部劇がホームドラマと化します。これには伏線があって、マサイは、逃亡中に救けられたチェロキー族?からトウモロコシの種をもらっています。このチェロキー族は、インディアンの生活を棄て、白人と同化してすっかり牙を抜かれたインディアン。つまり、白人に手向かうインディアンも最後には白人化していい子のインディアンになるという、白人による白人のためのインディアン映画です。
 ラストでシーバーはマサイを追い詰めるのですが、マサイに子供が生まれトウモロコシ畑を見て、あいつもいいインディアンになったのだからもうマサイを追うことを止める、と言い出す始末。何をかいわんやです。

 でお薦めかというと、1954年にインディアンを主人公にして映画を作る「限界」以外に、これといって見るべきものはなさそうです。

 それにしても、青い目のアメリカ先住民は違和感があります。ジーン・ピータースは『ナイアガラ』でマリリン・モンローとともにヒロインを演じていました。『アパッチ』を最後に引退しているようです。監督は、『北国の帝王』『ロンゲスト・ヤード』のロバート・アルドリッチ。

監督:ロバート・アルドリッチ
出演:バート・ランカスター ジーン・ピータース ジョン・マッキンタイア

タグ:BSシネマ
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