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映画 ホワイトハンター ブラックハート(1990米) BSシネマ [日記(2014)]

ホワイトハンター ブラックハート [DVD]
 クリント・イーストウッドがアフリカロケまでして作った映画だと聞けば、当然期待します。ところがコレナニ?という映画です。DVDを途中で止めて、wikiを見て分かりました。『ホワイトハンター ブラックハート』は、ハンフリー・ボガート、キャサリン・ヘプバーンの『アフリカの女王』の撮影秘話を描いた映画だそうです。そんなもの映画にして面白いのかと思うのですが、監督ジョン・ヒューストンの奇行の数々が群を抜いて「面白い」らしいです。

キャサリン・ヘプバーンはこの時の監督の態度によほど憤懣やるかたなかったか、後年『アフリカの女王とわたし』という本を出版して一矢報いた。更にこのロケに同行した脚本家のピーター・ヴィアテルまでもが、この時の体験を元に小説『ホワイトハンター ブラックハート』を書く。(Wikipedia)

映画による『アフリカの女王』制作内幕ものです。クリント・イーストウッドがジョン・ヒューストンを演じています。

監督:ジョン・ヒューストン→ ジョン・ウィルソン(クリント・イーストウッド)
脚本:ピーター・ヴィアテル→ ピート・ヴェリル(ジェフ・フェイヒー)
制作:サム・スピーゲル→ポール・ランダース
女優:キャサリン・ヘプバーン→ケイ・ギブソン

という構図で、『アフリカの女王』の脚本家ピーター・ヴィアテルが、やってられない!という事の顛末を書いた脚本を、クリント・イーストウッドが監督・主演したわけです。

 冒頭でジョン(クリント・イーストウッド)と脚本家 ピート(ジェフ・フェイヒー)が、映画の結末をどうするか議論します。ジョンはヒーローとヒロインが死ぬ結末を支持し、ピートは、暗い結末など誰も望んでいないからハリウッド流のハッピーエンドを主張します。プロデューサーも、何度も結末をどうするんだという言っていますから、結末を決めずに制作がスタートしたことになります。これが映画の重要な伏線です。

 ジョン・ヒューストンという監督は、そうとう狷介な性格の人だったようです。生涯5回の結婚と離婚を繰り返し 「人間、5回も結婚すべきでない」とうそぶき、『アフリカの女王』撮影時には、映画をほっぽりだして象狩りに興じたりと、やりたい放題だったようです。
 この映画でも、ユダヤ人のヒトラー政策を支持する美女を辛辣な言葉でやり込めたり、現地の黒人をこき使うホテルの支配人に喧嘩を挑んで返り討ちにあったり、「オレはジョン・ヒューストンだ!」という傲慢が描かれています。何故像狩りにこだわったのか?、映画では、象を撃つのは「罪」だ、その罪を金を出して買えるからやってみたいのだと、ジョン本人に言わせています。

 撮影が始まってもジョンは象狩りを優先させます。撮影の途中で大きな象が見つかったという知らせが届き、ジョンは狩りに行きます。ジョンは象を前にして何故か撃つことを止めますが、小象を守るために象は襲いかかります。現地人のガイドが身体を張ってジョンを守り命を落とします。現地の村に帰ると、太鼓が鳴り響いています。ジョンは、太鼓が「ホワイトハンター(白人のハンター) ブラックハート(邪悪な心)」という通信を打ち鳴らしていたことを知ります。
 この後ジョンは映画の結末を、ハッピーエンドとすることをピートに同意し、撮影がスタートします。

 よく分からない!です。「罪を金で買う」ことにこだわったジョンは、何故象を撃たなかったのか?。信頼する原人のガイドが象に殺され、ジョンは何故自節を曲げて映画の結末をハッピーエンドとする決断を下したのか?。
 前者は、ピートが象を双眼鏡で眺めて、象は神の創造物だと発言していますから、ジョンもまた同じ感銘を象から受けたのかもしれません。後者は、現地人のガイドを死に追いやった自分の傲慢さを反省したのかもしれません。とすれば、映画を1本まるまる使って、伝説のジョン・ヒューストンを「普通の人」に引き戻したことになります。よく分からない映画ですが、同じ映画監督として、ジョン・ヒューストンに何か思うところがあったのでしょう。

監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド ジェフ・フェイヒー

タグ:BSシネマ
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