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映画 ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997独) [日記(2015)]

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア [Blu-ray]
 原題はKnockin' on heaven's door。『トゥルー・ロマンス』は男女の無軌道な犯罪と暴力を描いたものでしたが、『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』は男ふたりの犯罪と暴力の逃避行です。

逃避行とはちょっと違うか?。脳腫瘍で余命幾ばくもないマーチン(ティル・シュヴァイガー )と、これも骨肉腫で明日をも知れぬ ルディ( ヤン・ヨーゼフ・リーファース )が、車を盗んで病院を抜け出します。海を見たことがないというルディのために海を見せてやろうというわけです。明日をも知れぬ命と海を見にゆくというのが、この映画の要です。

 この車というのがマフィアの車だったことで、話はとんでもない方向に向かいます。マーチンとルディは、どうせ死ぬんだったら好き勝手しようというわけで、車にあった拳銃を使ってガソリンスタンドに強盗に入り、銀行を襲います。を何しろ、病院を抜け出したためパジャマ姿。パジャマ姿だけは何とかしたかったという話です。
 このふたりは、かなり対照的な性格。行動の主導権を取るのはマーチンで、ルディはそれに付いて行くというパターンです。マーチンは脳腫瘍で時折意識を失い、それをルディが介抱するというなかで、ふたりの間に友情が深まります。
 犯罪と暴力を舞台にしていますが、かなりコミカルな作りの映画です。pop調と言ってもいいでしょう。さらに映画を盛り上げてくれるのが、車を奪われたふたり組のマフィアの手下。車を探してマーチン、ルディと追いつ追われつスラップスティックを演じます。マフィアと警官隊の銃撃戦は、クエンティン・タランティーノの影響大と見ましたが、どんなもんでしょう。

 マフィアの車のトランクから100万マルクが出てきたことで、話はさらにエスカレート(1997年当時はユーロじゃないんですね)。ふたりは100万マルクで念願の夢を叶えます。高級ホテルに泊まり、マーチンはキャデラックを母親にプレゼント、ルディはふたりの娼婦を右と左に並べるというのですから、夢といっても大したことはありません。あの世にまで持って行けないと、使い切れない金は慈善事業に寄付してスッカラカン。
 
 最後はマフィアに捕まってしまいます。金を返せば命だけは助けてやると言うことになるわけですが、金は無い、どうぞ殺して →これではマフィアも困ります。ここでマフィアのボスが登場。このボスというのが、『ブレードランナー』でレプリカントを演じたルトガー・ハウアー。こちらによると、ボランティア気分で参加したようです。お前たちの病気はTVで知っている、で何がしたいんだ?、海が見たいということであっさいり放免。
 ラストは、海に沈む夕日を見ながらマーチンは亡くなります。この風景こそが、heaven's doorなのでしょう。

 お薦めかと云うと、若い人の支持は多い様ですが、オジサンにはイマイチです。

監督:トーマス・ヤーン
出演:ティル・シュヴァイガー ヤン・ヨーゼフ・リーファース ルトガー・ハウアー

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