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映画 シェーン(1953米) シェーンは死んだのか? [日記(2018)]

シェーン HDリマスター [DVD]  『交渉人』で、ダニーとセイビアン(ケビン・スペイシー)が『シェーン』で主人公シェーンがラストで死んでいる云々という映画談義をしています。映画のラストで、馬で去って行くゆくシェーンにジョーイ少年が「シェーン カムバック」と呼び掛けます。この時シェーンは銃弾を受けて既に死んでいる、という説です。ホンマか?→と、あらためて見てみました。

 開拓民スターレットから一宿一飯の恩義を受けた流れ者シェーンが、牧場主ライカーの暴虐に苦しむスターレットを助け、去って行くという「任侠映画」です。この開拓者ス、流れ者、牧場主の関係を軸に、開拓者の妻マリアンと流れ者の淡い慕情、流れ者に憧れる子供、牧場主の雇ったガンマンを配し、ストーリーに膨らみを持たせています。
 西部劇のかたちを取っていますが、舞台を日本に移せば、東映得意の高倉健主演の任侠映画となります。

 牧場主は放牧地を広げるため、開拓民たちの畑を荒し、家を焼き、殺すという暴虐の限りをつくします。任侠映画では、我慢の限界に達した健さんが「殴り込み」よってこの状況を一挙に解決します。『シェーン』では、談合に行くスターレットの代わりにシェーンが行き、銃で一挙の解決。任侠映画では、健さんが殴り込みに行く「道行き」シーン(このシーンで池部良が従い「唐獅子牡丹」がバックに流れる)がありますが、『シェーン』でもこれがあります。池部良の代わりにジョーイ少年がシェーンを追いかけます。殴り込みの後健さんは縛につきますが、殺人を犯したわけですからスターレットの元に帰るわけにもいかず、再びさすらいの旅の出、そこで「シェーン カムバック」となります。
シェーン2.jpg シェーン.jpg
問題のシーン1             シーン2
 で、この時シェーンは死んでいたのかどうか。「殴り込み」に行ってシェーンは撃たれています。ジョーイが「出血している」と言っていることからも明らか。撃たれて傷を負ったシェーンは馬に乗って去って行く問題のシーン。普通であれば両手で手綱を握るのでしょうが、どう見ても馬に乗ったシェーンの左腕が姿不自然です。銃撃の出血で前後不覚?、死んでいないにしても最早意識が無い、死の一歩手前というのが「シェーン死亡説」の根拠ではないかと思います。シェーンを殺して何かメリットがあるのか?という問題です。マリアンは銃の無い世界を願っており、息子ジョーイがシェーンに憧れることを嫌っています。シェーン自信、この「殴り込み」で銃の無い世界が訪れたことをジョーイに告げています。映画としては、ガンマンのシェーンが死ぬことで、古い「西部」の終焉しマリアンが願った世界が実現したことを言いたかったのかもしれません。という事で、『交渉人』のセイビアンの「シェーン死亡説」は◎。

監督:ジョージ・スティーヴンス
出演:アラン・ラッド ヴァン・ヘフリン ジーン・アーサー

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LargeKzOh

映画 ”シェーン” のラストシーンで、彼の向かう遠い先に ”墓場” が見え隠れしている事をご確認下さい。
シェーンが ”死に場所” を求めている事を暗示している・・・封切りから大分足ってVHSビデオが出まわる時代になり、銃撃戦シーンとかラストシーンを何回も繰り返し観ることが出来る様になって気がついた映画評論家がいました。
今は昔・・・の古い話です。

by LargeKzOh (2018-10-02 11:16) 

べっちゃん

ありがとうございます。早速観てみます。
by べっちゃん (2018-10-03 07:17) 

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