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映画 赤ずきん(2011米) [日記(2012)]

  • 赤ずきん [DVD]  先日見た「遥か群衆を離れて」のジュリー・クリスティーが出ているというので見ました。
 童話「赤ずきん」を借りたダーク・ファンタジーですね、どっちかと云うと「赤ずきん」と云うより「人狼」伝説です。

 ドイツ?の山村で、狼に生贄をささげる儀式がとり行われます。日本では「ヤマタノオロチ」に若い娘を生贄として捧げますが、「赤ずきん」の村では生贄は豚で捧げられるのは狼です。動物が100年200年と生きながらえると神秘的な力を宿し人間に化けるというのは、洋の東西を問いません。狼は人狼となって村を襲います。
 ドイツにはモミが鬱蒼と生え茂る「黒い森」があるそうですが、ヨーロッパの森は照葉樹林の日本の森とは比較にならないほどの神秘と恐怖に満ちています(スミマセン、見てきたような嘘)。牛ほどの大狼がいたとしても不思議ではありませ。

 この生贄を捧げた夜、若い女が狼に噛み殺されます。殺されたのは赤ずきんヴァレリーの姉で、鳴りを潜めていた狼が跳梁し始めたわけです。村に現れた狼を人狼だと考えた村の牧師は、狼(悪魔)祓いの異端審問官?の派遣を要請します。現れたのは我らがゲイリー・オールドマン。黒人の配下を従え象の玩具(実は拷問器具)を引っ張って、しかも子連れ。何で子連れかと言うと、子供たちの母親すなわちこの異端審問官の妻が実は人狼で、自ら妻を殺したという異常な過去を持っています。その証拠に切断した妻の手首を持参しているのですが、ゲイリー・オールドマンが演じると、狂気の果てに自分の妻を殺した狂人にしか見えません。
 
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 どうでもいいのですが、私はこのゲイリー・オールドマンとい俳優が結構好きで(「レオン」の気違いデカですね)、「赤ずきん」を見たのもジュリー・クリスティとゲイリー・オールドマンが出ている!というのが理由です。フランケンシュタインをやっているくらいですから、こういう役はぴったりです。もうひとつ、異端審問官というと、「宮廷画家ゴヤは見た」のロレンゾ修道士(ハビエル・バルデム)と「薔薇の名前」のベルナール・ギー(F・マーリー・エイブラハム)を連想します。これも余談なんですが、「異端」「異端審問官」というのも大好きで、果たしてゲイリー・オールドマンはこのふたりを超えられるのか!です(笑。

 異端審問官の登場などものともせず、牛のような人狼が村人を噛み殺します。ヴァレリーの前に現れた狼は「オレについてこい」と人語を喋ります。オイオイ、赤ずきんちゃんと人狼はどういう関係なんだ。
 狼と話したことが異端審問官の知るところとなり、ヴァレリーは魔女と見なされて監禁されます。この辺りからホラー色は後退して、映画は狼の正体誰なんだという謎で引っ張ります。
 
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  遙か群衆を離れて                赤ずきん
 
 ジュリー・クリスティーは?ハイ出演されてます。赤ずきんちゃんのおばあさん役です。童話では狼に食べられる役です。訪ねてきた赤ずきんちゃんとおばあさんの会話、

大きな目ね → お前をよく見るためさ
大きなお耳ね → お前の声をよく聞くためさ
大きなお口ね → お前をひと飲みするためさ

これはてっきりジュリー・クリスティが人狼なんだ!これは夢のなかの話で、そんなわけないです。ところがですね、この夢が人狼伝説に関わる伏線なんです。やはり、ジュリー・クリスティは狼なんです、ホンマか?。美貌の女優さんが70歳になるとどうなるか?ちょっと分からないですねぇ。

 で、お薦めかというと、ホラー好みの人は確実に物足りないと思います(全然怖くない)。ミステリかというと、狼の正体がわかっても、アッそう、で驚きも何もなし。ファンタジーかというとファンタスティックな要素はゼロ。この手の物はM・ナイト・シャマランの「ヴィレッジ」の方が面白いです。

監督:キャサリン・ハードウィック
出演:アマンダ・サイフリッド ゲイリー・オールドマン ヴァージニア・マドセン ジュリー・クリスティ

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