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映画 鍵泥棒のメソッド(2012日) [日記(2017)]

鍵泥棒のメソッド [DVD]
 高校生の男女が入れ替わる『転校生』という映画がありましたが、こちらは売れない役者と殺し屋が入れ替わるという”人を喰ったような”映画です。中身が入れ替わるというSFではありません。役者と殺し屋が銭湯で偶然出くわし、殺し屋は風呂で滑って転んで頭を打って記憶喪失。役者が脱衣場のカギをすり替えたため、役者が殺し屋の環境を手に入れ、記憶喪失となった殺し屋は役者として生きざるをえなくなります。

 面白いのは、役者と殺し屋のキャラクターの落差です。仕事も無く持ち金も底をついた役者の桜井(堺雅人)は、人生に絶望し首吊り自殺を図りますがヒモが切れて失敗、絵に描いたような人生の落伍者。場末のアパートはほとんどゴミで埋まっているような住まい。一方、殺し屋の近藤(香川照之)は豪華マンションに住み室内は見事に整頓され、(暗殺の)ターゲットを念入りに調査しノートに整理するという緻密な性格。こういう役者と殺し屋の性格は現代人のカリカチュア、デフォルメです。この正反対ふたりが入れ替わって引き起こすスラップスティックがこの映画の肝です。
 もうひとり、カリカチュアライズされた人物、雑誌編集者の香苗(広末涼子)が登場します。結婚をスケジュール化し婚活を始めるという30半ばの独身女性。こういう女性がいるかどうかは?ですが、これもカリカチュア、デフォルメです。

 記憶を喪った近藤が香苗と出会い、殺しの依頼人ヤクザの工藤(荒川良々)が桜井と接触したことでストーリーが動き出します。近藤が緻密な性格で役者を志し、いいかげんな桜井が新たな殺しを引き受けるというチグハグナな展開となり、香苗の婚活の相手が近藤となり...。
 堺雅人、香川照之という旬の役者が演じるコメディですから、面白くないわけはありません。お薦めです。

監督:内田けんじ
出演:堺雅人 香川照之 広末涼子 荒川良々

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