SSブログ

ジョン・フォード 駅馬車(1939米) [日記(2018)]

駅馬車(デジタルリマスター版) [DVD]  今更ですが、『駅馬車』です。西部劇のベスト10には必ず顔を出す名作中の名作。何故これほど評判がいいのか?。インディアンが駅馬車を襲うという危機に、駅馬車に乗り合わせた人々の物語が絡むというところに尽きます。この偶然乗り合わせた乗客という設定は、『駅馬車』独自のものではないそうで、wikipediaによるとモーパッサンの『脂肪の塊』がヒントになっているらしいです。



駅馬車2.jpg 駅馬車.jpg
 乗客とは、アル中の医者ブーン(トーマス・ミッチェル)、娼婦のダラス(クレア・トレヴァー)、美人の妊婦(そうは見えない)、ギャンブラーのハットフィールド(ジョン・キャラダイン)、酒商人銀行家。途中から脱獄囚のリンゴ・キッド(ジョン・ウェイン)が乗り込んで総勢7人+御者と保安官。この保安官が乗り込んでいるのがポイント。
 アル中の医者と娼婦は街を追い出され仕事を探しに駅馬車の次の到着地ローズバーグ(ニューメキシコ州)へ、妊婦は夫の騎兵隊大意のもとへ、ギャンブラーは妊婦の護衛を買って出、銀行家は横領して逃亡、脱獄囚は家族を殺された仇を追っている等、それぞれがそれぞれの事情をかかえて駅馬車に運命を託します。アル中の医者は酒商人のサンプルの酒を飲み、ギャンブラーは美人の妊婦を気遣い、銀行家は挙動不審、脱獄囚は悠然と構え、インディアンの襲撃の危機迫る駅馬車は疾駆します(駅馬車ゆく駅馬車はゆく♫)。

 途中の宿駅で妊婦が産気づき、飲んだくれの医師が子供を取り上げます。この赤ん坊の誕生は一行の行末に希望を暗示しているかのようです。騎兵隊三部作にある恋模様は、脱獄囚と娼婦の恋。駅馬車はインディアンの襲撃を受け、御者とギャンブラーは撃たれ弾が尽き絶体絶命のなか、騎兵隊の突撃ラッパが響き渡るあたりは西部劇の王道です。

 ローズバーグに到着し、脱獄囚は娼婦を残して敵討ちの決闘に臨みます(決闘まであるんです)。決着をつけた脱獄囚は保安官に自首しますが、保安官は逮捕せず脱獄囚と娼婦を馬車に乗せて送り出し、HappyEnd。
 インデアンの襲撃あり、騎兵隊あり、決闘ありという西部劇の王道に、駅馬車の乗客の七人の人生があり、脱獄囚と娼婦の恋まであります。この辺りが名作と言われる所以でしょうか。

監督:ジョン・フォード
出演:ジョン・ウェイン トーマス・ミッチェル クレア・トレヴァー

【当blogのジョン・フォード】
* 駅馬車(1939) ジョン・ウェイン トーマス・ミッチェル
* モホークの太鼓 (1939) ヘンリー・フォンダ クローデット・コルベール
* 怒りの葡萄(1940) ヘンリー・フォンダ ジェーン・ダーウェル
* タバコ・ロード(1941) チャールズ・グレープウィン エリザベス・バターソン
* 荒野の決闘(1946) ヘンリー・フォンダ ヴィクター・マチュア
* アパッチ砦(1948) ジョン・ウェイン ヘンリー・フォンダ
* 三人の名付親(1948) ジョン・ウェイン
* 黄色いリボン (1949) ジョン・ウェイン、ジョアン・ドルー
* リオ・グランデの砦(1950) ジョン・ウェイン モーリン・オハラ
* 長い灰色の線 (1955) タイロン・パワー モーリン・オハラ
* 捜索者(1956) ジョン・ウェイン ジェフリー・ハンター
* バファロー大隊(1960) ジェフリー・ハンター ウディ・ストロード
* 馬上の二人 (1961) ジェームズ・スチュアート リチャード・ウィドマーク
* 西部開拓史(第3話)(1962) ジョージ・ペパード
* リバティ・バランスを射った男(1962)  ジョン・ウェイン ジェームズ・ステュアート
* シャイアン(1964)  リチャード・ウィドマーク キャロル・ベイカー

nice!(6)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

nice! 6

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。