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映画 スターリングラード(2001年米英アイルランド) [日記(2009)]

スターリングラード [DVD]

スターリングラード [DVD]

  • 出版社/メーカー: 日本ヘラルド映画(PCH)
  • メディア: DVD
 原題は“Enemy at the Gates”。スターリングラード攻防戦を舞台に、225人のドイツ軍将兵を倒した実在の赤軍狙撃兵ザイツェフを描いた戦争映画です。監督が『薔薇の名前』『セブン・イヤーズ・イン・チベット』のジャン=ジャック・アノーですからひと味違った戦争映画となっています。
 ザイツェフ等兵士がスターリングラードの戦闘に駆り出されるオープニングはアイロニーに満ちています。

 銃は二人に1挺、銃を持たぬ者は続け、銃を持つ者が撃たれたら、後に続く者が銃を取って撃つのだ!

兵器の欠乏する赤軍は、兵士2人に銃1挺を支給して戦場に送り出し、ドイツ軍の銃火器に圧倒されて退却する兵士を将校が撃ち殺します。反革命の名の下に数百万の命が奪われたスターリニズムでは、兵士の命は消耗品に過ぎないと云うわけでしょう。と云うか戦争とはそんなものかもしれません。実際はどうだったのか知りませんが、この偏見に満ちた描写も何となく納得してしまいます。

 このスターリングラード攻防戦は『ドイツ軍および枢軸軍の戦死者は約30万人、ソ連軍は約50万人』といわれる『史上最大の市街戦』(Wikipedia)だそうですが、廃墟となった市街で市民を巻き込んで両軍が闘う消耗戦で、映画でもこの設定が生きています。戦争と云う異常の世界では、様々なエピソードが生まれたことでしょう。『スターリングラード』で描かれるのは、赤軍のザイツェフ(ジュード・ロウ )と独軍の兵ケーニッヒ少佐(エド・ハリス)の、狙撃兵同士の人知を傾けた一騎打ちです。

 スターリングラードは、時の権力者スターリンの名を冠した街で、ヒトラー、スターリンのプライドをかけた闘いにもなるわけです。フルシチョフ(スターリンの後継者)が登場し、『スターリン』グラードだと言って死守を命じます。兵器において劣勢な赤軍の戦意高揚のため、プロパガンダに利用されるのが狙撃兵ザイツェフ。ザイツェフを英雄に祭り上げプロパガンダを推進するのが政治将校ダニロフ(ジョセフ・ファインズ)。このプロパガンダに対抗し、英雄ザイツェフを狙撃するためにベルリンからこれも名スナイパー・ケーニッヒ少佐が派遣されます。
 物語は、ザイツェフとダニロフの友情と確執に市民兵ターニャ(レイチェル・ワイズ)がからみ、ラブロマンスあり、サスペンスあり、アクションありと、娯楽性もありなかなか良くできていると思います。

 ドイツの狙撃兵ケーニッヒ少佐を演じるのがのエド・ハリスです。年の功と云うか、ジュード・ロウ、ジョセフ・ファインズを完全に喰って圧倒的な存在感を出しています。『アビス』『敬愛なるベートーヴェン』を見ているのですが、そのときは思わなかったのですがいい役者ですね。ジョセフ・ファインズは『恋におちたシェイクスピア』。もうひとり、体制批判する赤軍兵士でロン・パールマンが出ています。『薔薇の名前』にも出ていましたが、最近は『ヘルボーイ』『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』ですね。

 ジャン=ジャック・アノーですが、『薔薇の名前』『セブン・イヤーズ・イン・チベット』『スターリングラード』と観たので、次は『愛人/ラマン』を観ようかと・・・。

監督:ジャン=ジャック・アノー
出演者:
ジュード・ロウ
ジョセフ・ファインズ
エド・ハリス
レイチェル・ワイズ 
ロン・パールマン 


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