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映画 イングロリアス・バスターズ(2009米) [日記(2010)]

イングロリアス・バスターズ [DVD]

イングロリアス・バスターズ [DVD]

  • 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
  • メディア: DVD
 原題:Inglourious Basterds(Inglorious Bastards)
 ナチもの(ドイツ第三帝国もの)はけっこう好きで、最近では『戦場のピアニスト』『ヒトラーの贋札』『ワルキューレ』見ました。『イングロリアス・バスターズ』も第2次世界大戦のフランスを舞台にSSの《ユダヤ・ハンター》や連合軍の《ナチ・ハンター》が登場します。登場するがチョット違う?。違うところは、ナチ=悪の権化の常識をあっさり捨て去って、虐殺されるのがナチというヘンな映画です。これを”ヘン”と見るかギャグと見るか、エンタテイメント見るか、です。

 冒頭、SSの《ユダヤ・ハンター》(クリストフ・ヴァルツ)が登場し、匿われたユダヤ人を見つけ出し虐殺します。ここで唯ひとり助かる少女が、後のストールーのキーマンとなるのですが、世間的常識が通用するのはこの第1章だけです。

 次にレイン中尉(ブラッド・ピット)率いるバスターズと呼ばれるナチ・ハンターの一団が登場します。ナチとみれば殺して頭の皮を剥ぐんですねぇ。メンバーのひとり《ユダヤの熊》と呼ばれるユダヤ人はナチをバットで殴り殺します。普通はナチがユダヤ人を虐待するんですが、こっれは逆じゃないですか。レイン中尉がナチの将校の額にナイフで卍印を刻むシーンがありますが、ナチはユダヤ人に五芒星を強要していますから、完全に逆転しています。

 第三話以降、ヒトラー、ゲッペルスが集うナチのプロパガンダ映画試写会で映画館を爆破して彼らを暗殺しようという計画が語られます。この暗殺計画自体が《バスターズ》の爆破計画と、第1話で生き延びたユダヤ人少女による放火計画の二重構造をとっています。
 ここで、第1話の《ユダヤ・ハンター》と逃げたユダヤ人少女、第2話の《イングロリアス・バスターズ》が一同に会し、ストーリーは終盤へと一気に展開してゆきます。

 この映画が一般的な常識が通用しないのは、ダイアン・クルーガー、メラニー・ロラン始め、映画の展開に重要な役割を果たすのではと思われる人物が、いとも簡単に殺されることです。殺されてそれで終わりですから、何なの!です。
 おまけに、この映画館爆破計画が《見事》に成功し、なんとヒトラーが《暗殺》されます。オイオイ、ヒトラーはエバ・ブラウンと自殺したんじゃなかったのか、と言う私の様な観客を、タランティーノは全く期待していないのでしょうね。
 とにかく、最初から最後まで理解不能の《ヘン》な映画です。

 DVDのジャケットは、ブラッド・ピットとダイアン・クルーガー(『敬愛なるベートーヴェン』のアンナです)、メラニー・ロランの3人ですが、注目すべきは各助演男優賞を総なめにしたクリストフ・ヴァルツでしょう。およそナチらしくない、軽妙なSS大佐を好演しています。ダイアン・クルーガーとメラニー・ロランはあっけなく死んでしまうし、、ブラッド・ピットとクリストフ・ヴァルツは喜劇的だし、何なんでしょうねこの映画は。

監督 クエンティン・タランティーノ
出演
ブラッド・ピット
クリストフ・ヴァルツ
ダイアン・クルーガー
メラニー・ロラン

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