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映画 男の出発(たびだち)(1972米) [日記(2011)]

男の出発 [DVD]
原題がTHE CULPEPPER CATTLE COMPANYで、カルペッパー・カウボーイ商会!。カウボーイの親分がカルペッパーさんで、なかなか愉快なタイトルです。で、邦題が何で『男の出発(たびだち)』になるんだ?

 『ネタバレ映画館』+αで言うと、

荒野の七人(1960)
荒野の用心棒(1964)
ウェスタン(1968)
・小さな巨人、ソルジャー・ブルー(1970)
男の出発(1972)

 この映画の制作年を考えると、西部劇の黄金時代は完全に終わっています。セルジオ・レオーネが『荒野の用心棒』でマカロニ・ウェスタンをひっさげて本場ハリウッドに乗り込み、『俺たちに明日はない』で始まったアメリカン・ニューシネマが、最後の西部劇と言われる『ワイルドバンチ』や名作『明日に向かって撃て』を生み、従来のインディアン(ネイティブ・アメリカン)と白人の関係に変更を迫った『小さな巨人』『ソルジャー・ブルー』が製作された後の、『男の出発』です。セルジオ・レオーネの乾いたユーモアとリアリズムも、アメリカン・ニューシネマの反体制も関係ないわけで、『ローハイド(1959年~1965)』へのオマージュと西部劇のロマンティシズムを謳った正統派西部劇です???。

 カウボーイを夢見る16歳のベン(ゲイリー・グライムス)は、2000頭だか3000頭かの牛を運ぶカウボーイの親玉カルペッパー(ビリー・グリーン・ブッシュ)に頼み込んで一行に加えてもらいます。最初からカウボーイというわけにはゆかず、コックの助手(リトル・メアリー)です。フランキー・レーンのテーマソングはありませんが、カルペッパーの指揮のもとに牧童が牛を追い、最後に道具一式を積み込んだ幌馬車がついて行く辺りは『ローハイド』の世界です。当然、すんなりと旅が続くわけはなく、牛泥棒、馬泥棒と闘いながら、ドンンパチもあって、そうした世界でベンが背伸びをしながらカウボーイへと成長してゆくビルトクングス・ロマンンでもあります。普通に目的地に着いたのでは面白くありませんから、悪辣な牧場主が登場し、一行の牛が喰った草の代金をよこせなどと無理難題。牛の運搬を最優先させるカルペッパーは泣く泣く代金を払うんですが、この親玉は最後まで業務優先で中途半端な存在。
 この悪役牧場主vs.カルペッパー・カウボーイ商会の関係に一枚噛んでくるのが開拓団。牧師に率いられたえらく宗教くさい開拓団で、これも悪役牧場主からここはおれの土地だ、出て行かないと殺すぞ、と追い立てを喰らいます。開拓団はカルペッパー牛追い商会に助勢を頼みますが業務優先のカルペッパーはこれを断ったため、ベンと『男には牛より大事なものがある』派はカルペッパーと袂を分かち開拓団を助け悪役牧場主と闘うこととなります。
 激闘の末、『男には牛より大事なものがある』派はベンを除いて全滅し、世の無常を感じた?ベンは開拓団とも別れひとり去ってゆきます。オィ、それで終わりか!ですが、以外と気に入りました。

監督:ディック・リチャーズ  
出演:ゲイリー・グライムス ビリー・グリーン・ブッシュ

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