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映画 エリザベスタウン(2005米) BSシネマ [日記(2014)]

エリザベスタウン スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
 大手メーカーの社員が企画の失敗で10億ドルという損失を出し会社を首になります。おまけに恋人にフラれ、自殺を図ろうとするまさにその時、父親の訃報が入ります。葬儀のために父親の故郷エリザベスタウンを訪れ、多くの人々と出会い立ち直る話しです。ハートフル何とか映画に当たるのでしょう。
 監督、制作、脚本を兼ねるキャメロン・クロウが描きたかったのは、失意の男の再生、それもかなり自伝的な再生の話だと思われます。それだけでは売れないと考え、主人公ドリュー(オーランド・ブルーム)と飛行機の中で知り合った航空会社のアテンダント・クレア(キルスティン・ダンスト)との恋模様が挟まれますが、たぶん、美男美女?のスターを用いて恋でもさせないと絵にならないわけで、これは商売上の付け足しでしょうね。

【スーザン・サランドン】
 ドリューの父親は、故郷ケンタッキー州エリザベスタウンを訪れている時に急に亡くなります。父親の葬儀に長男であるドリューが出かけるのですが、母親ホリー(スーザン・サランドン)も妹いるのに何故家族で行かないのかという疑問が出ます。父親と母親は親戚じゅうの反対を押し切って結婚したため、母親はエリザベスタウンでは歓迎されない存在だという設定です。
 エレベーたターの中で出会い、お互いに婚約者がいるにもかかわらず恋に落ちたそうです。ホリーは葬儀に参列し、その後のパーティーで夫との思い出を語ります。思い出の「ムーンリバー」をひとりで踊るのですが、この下手なダンスが最高ですで、父親はホリーに愛されていたんだ、と納得させるという演技です。下手なダンスが絵になるのですから、さすが大女優。

【キルスティン・ダンスト】
 ドリューは、飛行機で出会ったクレアと恋に落ちますが、この辺りは観客サービス。キルスティン・ダンストは『スパイダーマン』のヒロインとして知っていますが、どちらかと言うと美人じゃない。なんでこの人がヒロインなんだと思っていたのですが、『エリザベスタウン』を見ているとだんだん魅力的に見えてくるから不思議です。レネー・ゼルウィガーのような魅力です。このふたりは、うまくいきそうでいかない、しかし最後はハッピーエンドという組み合わせで観客に阿るわけです。
 クレアが別れ際にケンタッキーからカリフォルニアまでのロードマップをドリューにプレゼントします(クレアはこの地図をプレゼントするために作られた役ではないかと思います)。この地図というのがクレア手書きのもので、沿線の何処に寄って何を見物しろという観光案内も兼ねています。この案内も、どうやらドリューの「立ち直り」に通じているらしいのですがよく分かりません。この地図にはクレアが編集したBGMのCDが付いていて、この音楽を聞きながらポイントを廻るというのがミソなんでしょう。クレアは、最後に自分のいるファーマーズ・マーケットを指定し、「赤い帽子を探せ」。

【父親】
 亡くなっていますから、ドリューの思い出のシーンと、写真、あとは棺桶の中でしか登場しません。登場しませんが、ドリューと母親のホリーが回想するこの父親こそが『エリザベスタウン』の影の主人公なのだと思います。キャメロン・クロウは、父親のためのレクイエム・ムービー?を作ったのではないでしょうか。

監督、制作、脚本:キャメロン・クロウ
出演:オーランド・ブルーム キルスティン・ダンスト スーザン・サランドン

タグ:BSシネマ
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