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映画 主人公は僕だった(2006米) [日記(2015)]

主人公は僕だった コレクターズ・エディション [DVD]
  原題: Stranger Than Fiction。
 なかなか奇抜な構成で す。主人公ハロルドが登場し、「ハロルドの中は数字と計算で一杯でしゃべるのは苦手な男・・・」というナレーションが入ります。観客に向けたナレーションが、ある日突然にハロルドに聞こえるようになった、という奇抜な発送でストーリーは展開します。

 ハロルドは、実直な国税局の職員で、特技はどんな桁数でも即座に正解が出せるという 暗算です。数字にこだわるハロルドの日常は、起床就寝時間から歯を磨く回数まで決まった数字に縛られ、階段の段数、歩道のタイルの数まで無意識にカウントするという徹底ぶり。当然独身で、いったい何を楽しみに生きているのか?、という人物です。
 この面白味のない人物が実は小説の主人公だったというのが、この映画のポイントです。

 ハロルドが小説の主人公であるなら、作者がいるはずです。ハロルドの物語は、作者がハロルドを動かしているのか、作者はハロルドの行動を忠実に小説化しているに過ぎないのかどちらかです。ハロルドの運命を握っているのは作者なのかハロルド自身なのか、という問題です。言い換えれば、人は運命に支配されているのか、運命は自ら切り拓くものなのか、という問題です。

 ナレーションが「この何気ない行為がやがて死を招くことになろうとは、彼は知るよしもなかった」と言ったことで、作者に殺されることを知ったハロルドは、作者に握られた運命を自分の手に取り戻そうとします。 ギターを買ってロックを歌い、脱税の査察に訪れたベーカリーのオーナー・アナ(マギー・ギレンホール )を口説き、自らの思いを行動に移します。小説の主人公が、作者の手を離れて勝手に動きだすわけです。ハロルドは作者を出し抜くことが出来るのか...。

 平凡な人間の退屈な人生であっても、当人にとっては自分は「人生というドラマ」の主人公なんだ、という当たり前のことを言っているに過ぎないのですが、こういう具合にコメディー仕立てのファンタジーで見せてくれると、なるほどと思ってしまいます。これ、お薦めです。

 コメディアンのウィル・フェレル がハロルドを実に上手く演じています。 脇を固めるダスティン・ホフマン、エマ・トンプソン(実は作者)、マギー・ギレンホールもいいです。

監督:マーク・フォースター
出演:ウィル・フェレル マギー・ギレンホール ダスティン・ホフマン エマ・トンプソン クイーン・ラティファ 

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