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映画 ダイヤルMを廻せ!(1954米) [日記(2015)]

ダイヤルMを廻せ [DVD]
 冒頭、 グレース・ケリーと、米国人の推理小説家が登場し、今日夫が帰ってくる、小説家から貰ったラブレターを盗まれて強請(ゆす)られている、などと穏やかではない会話が交わされます。何と、映画はグレース・ケリーの不倫からスタートします、エッ。

 元テニス選手トニー(レイ・ミランド) は、資産家の妻マーゴ(グレース・ケリー)にぶら下がっているようで、関係の冷えた妻を殺害し遺産をそっくり手に入れようと目論んでいるという状況が明らかにされます。トニーは、大学の同窓で悪に染まり金に困っているスワンを実行犯に仕立てます。計画はこうです。

1)トニーはマーゴの不倫相手マーク(ロバート・カミングス)とパーティーに出掛ける
2)その隙に、スワンはトニーがアパートの階段の絨毯に隠したキーを使って忍び込み、カーテンの影に隠れる
3)トニーは、11時に自宅に電話をいれる
4)眠っていたマーゴは起き出し電話に出る
5)カーテンの影から出たスワンは、マーゴを後ろから絞殺する

 トニーにはアリバイがあり、トニーとスワンの接点も知られていませんから、完全犯罪が成り立つ筈です。しかし、グレース・ケリーが殺されては映画が成り立ちません。また推理小説家のマークに、完全犯罪は小説の中だけで計画通りにはいかない、と言わせていますから、トニーの完全犯罪は暴かれるということになります。『刑事コロンボ』型の「倒叙ミステリ」です。

 マークの指摘通りの展開となります。トニーの時計が壊れて11時にかける筈の電話が遅れ、頸を絞められたマーゴは偶然手にしたハサミでスワンを刺し、倒れた拍子にハサミが深く突き刺さってスワンは死にます。スワンの死を知ったトニーは、警察への通報を遅らせその間に証拠を捏造して、筋書きをマーゴの正当防衛からマーゴによる殺人へと変更します。
 絞殺のヒモをマーゴのストッキングにすり替え、ラブレターに関わる強請りの手紙(これもトニーのでっち上げ)をスワンのポケットにいれます。つまり、不倫をネタに強請りに来たスワンをマーゴが殺した、という筋書きを作ったのです。 この時、トニーはスワンのポケットから、彼がアパートに侵入した時に使ったを取り戻します。この鍵こそが、 この映画のkeyです→駄洒落。

 マーゴは殺人罪で起訴され、死刑の判決が下ります。不倫の人妻として登場したグレース・ケリーは、無実の罪で死刑となる悲劇のヒロインに変身します。マーゴの無実は如何に晴らされるのか?...。
 『 ダイヤルMを廻せ! 』は、トニーの完全犯罪が崩れてゆく物語なのですが、普通に崩れていっては面白くないので、ヒッチコックらしい仕掛けが施されています。それが前述の「鍵」です。

 久々にヒッチコックを堪能しました。
 忘れるところでした、ヒッチコックと言えば自作へのカメオ出演。今回はこんな所に登場。
カメオ.jpg

監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:グレース・ケリー レイ・ミランド

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