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映画 秋日和(1960日) [日記(2015)]

あの頃映画 松竹DVDコレクション 「秋日和」
 夫に先立たれた秋子(原節子)と一人娘、アヤ子(司葉子)の結婚の顛末を描いたドラマです。普通、アヤ子の恋と結婚がストーリーの軸となるわけですが、この映画では母親・秋子の結婚が主題となります。さすがは原節子です。

 間宮(佐分利信)、田口(中村伸郎)、平山(北竜二)の仲良し三人組が登場します。この3人と秋子の亡くなった夫の4人は、秋子を争った仲で、秋子の夫が亡くなった後もこの母娘の世話を焼くという関係が続いています。親友の妻子という以上に、かつてのマドンナ・秋子に未だ未練を残していると言ったところです。
 
 秋日和.jpg 秋日和1.jpg

 アヤ子がなかなか結婚しないのに気をもむ間宮は、自分の会社の青年を紹介しますがアヤ子は断ります。母を残して自分ひとり結婚することに躊躇しているわけです。では秋子を再婚させればアヤ子は安心して結婚できるだろうと考えた三人組は、妻を亡くした平山を再婚相手に、秋子の再婚を進め始めます。本末転倒ですが、そこは映画です。最初は渋っていた平山も、相手がかつてのマドンナ、未だ美しい秋子ですからすっかりその気になります。
 
 秋子に平山の再婚話を持って行った田口は結局言い出せず、アヤ子の縁談を進めたい間宮は再婚話をアヤ子に打ち明けてしまいます。秋子が再婚したがっていると勘違いしたアヤ子は、秋子に不信感をつのらせ、ふたりの関係はギクシャクし出します。母ひとり子ひとりですから、アヤ子は親離れができないのでしょう。 この(三人組も含めた)スレ違いが、映画の山場、見せ場です。 
 アヤ子は、秋子の再婚に納得し自分も結婚する気になりますが、肝心の秋子は夫との思い出を抱いて独り身を続けてゆく決意をします。アヤ子の結婚に父親代わりの三人組は一安心ですが、マドンナとの結婚の夢が敗れた平山ひとりが貧乏クジを引かされたことになります。
 善意によるスレ違いが問題を引き起こし、最後は丸く収まるという如何にも「松竹」という映画です。
 
 この映画は、若き日の司葉子や岡田茉莉子も活躍しますが、最初から最後まで原節子、佐分利信、中村伸郎、北竜二4人の映画です。マドンナの原節子も悪く無いですが、重厚な佐分利、剽軽な中村、篤実な北の三人組が光ります。

監督:小津安二郎
出演:原節子 佐分利信 中村伸郎 北竜二 司葉子 岡田茉莉子

タグ:BSシネマ
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