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映画 コンスタンティン(2005米) [日記(2015)]

コンスタンティン [Blu-ray]
 エクソシストのコンスタンティン(キアヌ・リーブス)が悪魔と天使の戦いに巻き込まれて...と言う映画です。コンスタンティンは、幼い頃から人間には見えないものが見えるという霊感の持ち主で、これを苦に自殺を図ったことがあります。キリスト教では、自殺を図ると死後地獄に落ちるそうで、地獄から逃れるためにエクソシストとして善行を積んでいるという設定です。15歳から毎日タバコを30本吸っていたために肺癌で余命1年。死ねば地獄!を何とか避けたい、そのために人間世界に迷い込んで来た悪魔をせっせと地獄に追い返します。
 『コンスタンティン』の世界は、天国と地獄の間に挟まれた、善と悪の均衡のとれた世界です。天国の天使と地獄の悪魔は決して人間世界に介入できず、半分が天使で半分が人間、or半分が悪魔で半分が人間のハーフ・ブリードが、人間世界で善悪の均衡をとっています。悪魔は人間世界に介入できないと言っても、エクソシストがいるわけですから掟破りの悪魔がいるわけで、最初から映画の設定が崩れています。「例外のない規則は無い」ということなんでしょう(笑。

 双子の妹イザベルの自殺に疑問を持つアンジェラ(レイチェル・ワイズ)は、コンスタンティンに謎の解明を依頼し、コンスタンティンはイザベルを探しにノコノコ地獄まで出かけます。自殺したなら地獄にいるわけです。異次元旅行ですね。出来れば天国の映像が見たかったのですが、いちおう“ホラー”ですから地獄です。日本にも「地獄草紙」などがありますから、人間は天国を想像するより地獄を想像する方が得意のようです。『コンスタンティン』の地獄は火炎地獄ですが、あまり恐ろしくはありません。

 信仰深いイザベルが何故自殺したのか?。この謎にハーフ・ブリードの悪魔と天使が絡んできます。悪魔の方は中途半端ですが、ティルダ・スウィントン演じる天使のガブリエルは素晴らしい。『オルランド』で両性具有?を演じたくらいですから、天使にはピッタリ。このガブリエルの登場で『コンスタンティン』はホラー+ファンタジーとなります。もうひとり、白の盛装をまとったサタン(ルシファー)もいいです。 演じるのは、『ファーゴ』でスティーヴ・ブシェミと悪役コンビを組み最後はミンチになるという、ピーター・ストーメア。ティルダ・スウィントンとピーター・ストーメアに比べると、キアヌ・リーブスもレイチェル・ワイズも影が薄いです(と思うのは私だけかも)。

 ガブリエルは、サタンの息子マモンが父親から逃れて自分の王国を作りたがっていることに乗じ、マモンを人間世界に引き入れようとします。サタンに息子がいるなどと、初めて聞きました。悪魔は人間世界入れないため、マモンは霊感の強い人間に乗り移り「ロンギヌスの槍」のイエスの血を使って侵入します(「ロンギヌスの槍」は、都合よく冒頭に登場しています)。イザベルは、マモンに憑かれたために自殺したのです。イザベルに自殺されたので、今度は双子の姉アンジェラに乗り移ります。
 ガブリエルは、一度人間世界を悪魔に売り渡し、神に救済させて信仰心を失った人間に神の偉大さを教えようと目論みます。ガブリエルの独断専行で、きっと神は知らないのでしょうね。ガブリエルは神を試そうとしたことになります。これはもう「大審問官」に匹敵する大役です。
 一方サタンは、息子の叛乱を許すものかと人間世界に現れます。サタンVS.ハーフ・ブリードですから結果は見えています。ガブリエルは、哀れにも翼を焼かれ堕天使、あるいは人間に堕ちてしまいます。

 コンスタンティンとアンジェラは、天使とサタン(サタンも元は天使)の戦いに巻き込まれたに過ぎず、この映画の真の主役は、人間世界を戦場に戦うガブリエルとサタンです。そのあたりを押さえると、もう少し面白い映画になったのですが...惜しい(と思うのは私だけかも)。
 エンドロールの後に、コンスタンティンの弟子?のエクソシスト(シャイア・ラブーフ)が、翼の生えたハーフ・ブリード(従って天使)となって復活するシーンが挟まれます。続編アリということなんでしょうが →立ち消え?。

監督:フランシス・ローレンス
出演:キアヌ・リーブス レイチェル・ワイズ ティルダ・スウィントン ピーター・ストーメア

タグ:BSシネマ
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