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映画 エクソシスト(1973米) [日記(2016)]

エクソシスト ディレクターズカット版 & オリジナル劇場版(2枚組) [Blu-ray]
 今さらですが、納涼ホラーです。『エクソシスト』には幾つかの版があるようで、見たのは「ディレクターズ・カット」版。

 イラクの遺跡発掘現場から始まります。『オーメン』も中東の悪魔が復活しますから、メソポタミア文明発祥のイラク辺りがふさわしいようです。そういえば、エクソシストのひとりは「ダミアン」。
 遺跡を発掘するメリン神父(マックス・フォン・シドー)が悪魔の偶像を発見し、後に悪魔祓いをしますから、メソポタミアとの関連が疑われるだけで、映画の悪魔の出身地は謎です。悪魔が何処に現れるかというと、ワシントンDC.のジョージタウン。間違っても太陽燦々のカエイフォルニアには現れません。
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 メソポタミアの古い悪魔が、12歳の少女リーガン(リンダ・ブレア)に憑依します。この経緯が?。悪魔の偶像をリーガンが持っていたわけでもなし、何故リーガンに憑りついたのかよくわからない。西洋式コックリさんをやるような少女ですから憑りつきやすかったのでしょう。この映画は、悪魔が乗り移った少女が、おどろおどろしい面相となって卑猥な言葉を連発し、緑の液体を噴射、首がグルリと反転して、逆さまの四つん這いで階段を駆け降りることに尽きます。

 悪魔祓いそのものより、悪魔祓いに至る過程が大半を占めます。リーガンの異状を心配した母親(エレン・バースティン)は、当然病院にかけつけ、さんざん検査をした挙げ句、脳にも異常が認められず原因不明。じゃあ精神異常だろうということで精神科へ。精神科の医師はリーガンにタマを握りつぶされるのですから、笑います。
 リーガは人格が変わったかのように汚い言葉を吐き、ポルターガイストが起き母親は殺されそうになります。 殺人事件も起きます。母親の恋人が階段を踏み外して首の骨を折り即死。首が180°折れ曲がっているという惨状(映像はありません)。この恋人は、リーガンを見舞って、彼女(悪魔)に殺され窓から放り投げられたようです。離婚した母親の恋人の存在は、リーガンにとって好ましい存在ではありません。そういう心の隙間に悪魔が忍び込んだとも言えます。リーガンの部屋で十字架が発見され、この事件を捜査する刑事が階段の下で偶像ようなもの(イランで発見されたものとは別?)を見つけますから、この恋人は事の真相を見抜いていたようです。

 母親は神父に悪魔祓いを頼み、デミアン・カラス神父(ジェイソン・ミラー)の登場となります。カラス神父は、老いた母親を養護施設に入れ、母親を亡くしたことがトラウマとなっています。悪魔はそこにつけ込み、母親の声で神父を嘲弄します。両親の離婚により心に傷を負った少女、カラス神父の介護問題と、現代的でも通用する問題だったりします。

 リーガンの中に悪魔が巣くうことは分かったのですが、悪魔祓いはカトリックのなかでも極めつけの秘技で、そう簡単には行えない。決定打は、悪魔に乗っ取られたリーガンが皮膚の上に浮かび上がらせた”help me”の文字。教会中枢も悪魔の存在を認めいよいよ悪魔祓いとなり、メリン神父が登場します。
 メリン神父とカラス神父のふたりが悪魔と対決しますが、聖書の文言を唱え、聖水を振りかけるこの悪魔祓いの儀式は大して面白くありません。悪魔は悪態をついてポルターガイストが起こるだけです。悪魔祓いの最中にメリン神父は持病の心臓発作で死に、カラス神父は悪魔を自分の中に悪魔を呼び入れて窓から身を投げて死にます。リーガン同様、心に傷を持った人間に悪魔は入り込むということなのでしょう。

 カラス神父の死で悪魔は滅んだのか?。そんな柔ではない筈ですから、次の宿主を探してその辺りに潜んでいるのでしょう、映画では何の説明もありませんが...。
 過激なシーンに慣れた昨今では「納涼ホラー」の効果は薄いですが、リーガンの首が反転し、逆エビで階段を降りるシーンは怖いです。

監督:ウィリアム・フリードキン
出演:リンダ・ブレア エレン・バースティン ジェイソン・ミラー マックス・フォン・シドー


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