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映画 ワールド・ウォーZ(2013米) [日記(2017)]

ワールド・ウォーZ [DVD]

 『フューリー』が面白かったので、同じブラッド・ピットのゾンビ映画を見てみました。ゾンビ映画というと『ゾンビランド』がお気に入りなんですが、『ワールド・ウォーZ』は『アイ・アム・レジェンド』寄りの映画です。
 例によって、未知のウィルスに冒され人間がゾンビ化して世界は破滅へと向かうわけです。怪物を題材にする以上、このウィルスを犯人にするか、後は伝説の闇から現れるとするしか無いようです。ワクチンを作るために感染源のゾンビ0号を求めて、元国連職員のジェリー(ブラッド・ピット)が活躍します。

 まず向かったのが、ゾンビ第一報を入れた韓国の米軍基地。韓国は壊滅状態だが北朝鮮は全国民の歯を抜いて助かったというブラックジョークが交わされます。歯を抜けば噛みつけないからウィルスの感染を防げるということです。なかなか穿ったジョークです。次に向かうのがイスラエルのエルサレム。エルサレムでは数年前から都市を囲む壁を建設し、ゾンビの侵入を防いでいるという話を聞いたためです。ジェリーの目の前で、ゾンビはこの壁を乗り越えエルサレムは陥落します。このシーンはなかなか迫力があって映画第一のハイライト。
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 エルサレムには有名な「嘆きの壁」があり、イスラエルはパレスチナ人の侵入を防ぐために分離壁を建設しています。これにヒントを得たのでしょうが、押し寄せる難民の侵入を防ぐためにヨーロッパ各国が作った「難民フェンス」を連想させます。ということは、ゾンビとは中東難民のことなのでしょうか。そう考えると、北朝鮮の話は別として、『ワールド・ウォーZ』そのものがブラックジョークとして見えてきます。主人公が国連職員というのも暗示的です。
 ゾンビがなだれ込んだエルサレムで、ジェリーはゾンビ対策のヒントを掴みます。奔流のように人間を襲うゾンビが、何故か襲わない人間が存在することに気付きます。ジェリーは、ゾンビは余命の限られた人間を襲わないという仮説を立て、ウィルス研究所のあるウェールズに向かいます。
 この後、ウェールズに向かう機内でゾンビが発症し、手榴弾で撃退するが旅客機が墜落(あたりまえ!)→奇跡的に助かるというご都合主義。ゾンビの徘徊する研究所で、自らを実験台に仮説を実証するエピソードはご愛敬。ご愛敬ですが、「エルサレムの壁」を「ゾンビ」が乗り越えると云うエピソードでこの映画はゾンビ映画を越えているかも知れません。
 監督のマーク・フォスターには『主人公は僕だった』という秀作があります。コッチの方がお薦めです。
監督:マーク・フォスター
出演:ブラッド・ピット ミレイユ・イーノス

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