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映画 ハリケーン・アワー (2013米) [日記(2017)]

ハリケーンアワー[DVD]

 原題はHours。『ワイルド・スピード』のポール・ウォーカーが主演するサスペンスです。DVDのジャケットは拳銃を構えたポール・ウォーカーですから、アクションかと思うと期待外れに終わります。登場人物はポール・ウォーカーと保育器に入った赤ん坊(たぶん人形)だけで、舞台もほぼ病院内といったシンプルな映画です。ところがこれがけっこう面白い。

 ハリケーン・カトリーヌ(2005)がニューオリンズを襲った夜、ヘイズ(ポール・ウォーカー)の妻アビーは女児を生んで病院で亡くなります。最愛の妻を喪ったヘイズは、俺に必要なのはお前ではなくアビーだ、と保育器の赤ん坊に向かって言う始末。赤ん坊は、保育器の中で点滴と酸素を供給され、48時間後に泣き声を上げれば外に出していいという医師の見立て。

 ハリケーンが近づき風雨が激しくなって、病院の患者はどんどん避難します。医師も、戻ってくると言い置いて病院から去り、ヘイズと赤ん坊は取り残されてしまいます。ハリケーンが去れば医師も戻るだろうと、ヘイズは赤ん坊(女の子)に亡くなった妻と同じ名前を付け、妻との思い出を話しかけるうちに、そこは親子ですから、次第に愛情を抱き始めるわけです。この辺りは『ワイルド・スピード』のポール・ウォーカーらしからぬ?演技です。

 医師も看護師も戻らず、悪いことに保育器のバッテリが減り始めます。赤ん坊の命は風前の灯。ヘイズは手回し発電機を探し出し充電しますが、劣化したバッテリは3分以上の充電が出来ない始末。充電を繰り返すうちに3分が2分になり、2分を切るようになってしまいます。何をするにも、2分経つ腕時計のタイマーが鳴りヘイズは赤ん坊の元に帰り発電機を回さなければなりません。地上で3分しか活動できないウルトラマンのようなものです。

 無線で救助を求めようと救急車にたどりついたところで腕時計のアラームが鳴り、ヘリコプターの音を聞いて屋上に駆け上がろうとすると、階段の途中でアラーム。この2分のタイムリミットがサスペンスの要で、上手い手を考えたものです。眠ることも出来ず、アドレナリン(病院だから薬はある)を打って父親は娘の命を懸命に守ろうとします。赤ん坊が死んでは映画は成り立たないわけで、最後には助かると思いつつも(事実助かりますが)手に汗を握ることになります。

 後半、これも取り残された犬(救助犬)が登場し、ヘイズと交流します。犬好きとしては大歓迎の展開ですが、犬は病院に侵入した窃盗者を追って途中でいなくなります。病院から薬品を盗もうと窃盗者が3人登場し、ヘイズはこれを撃退し娘を守ります。ポール・ウォーカーが強いのは分かってますから、犬が活躍するエピソードを入れて欲しかった!。ラストでは、この犬が救助隊をヘイズの元に導くのですから。

 まことに地味な映画ですが、「2分のタイムリミット」が効果的で、それと『ワイルド・スピード』のポール・ウォーカーが父親を演じるという意外性で、なかなか見せてくれます。

監督:エリック・ハイセラー
出演:ポール・ウォーカー ジェネシス・ロドリゲス

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