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アニメ 沈黙の艦隊 (1995日) [日記 (2023)]

沈黙の艦隊 [DVD] かわぐちかいじ のコミック大作『沈黙の艦隊』が映画化(実写)されました。アニメがAmazonPrimにあるので、こちらを観てみました。

原潜「やまと」
 冒頭、自衛隊の潜水艦「やまなみ」がロシア潜水艦と接触事故を起こし、艦長・海江田以下70名が(偽装)殉職します。一方日本で攻撃型原潜が極秘に建造されます。武器と原子炉はアメリカの技術を取り入れた、排水量9,000t、最大深度1,000mを可能にしたチタン合金の船体、水中最高速度40ノット、核魚雷搭載可能の魚雷8門50発を持つ最新型の原潜。沈没したはずの「やまなみ」の70名がそのままの乗員となり、原潜は米軍によって「シーバット」と命名され米大平洋艦隊の所属となります。
 シーバットは米大平洋艦隊から反乱逃亡、軍事国家「やまと」として独立を宣言し、日本と同盟を結び、終わったはずの冷戦と日米安保条約を炙り出すという”荒唐無稽”の軍事・政治ドラマです。

 アメリカ政府は脱走した「やまと」の捕獲を大平洋艦隊に命じ、「やまと」vs.アメリカの原潜の戦いが展開されます。ソナーを頼りの潜水艦同士の智謀を尽くした駆け引きです。今では、高度に電子化されたイージス艦による電子戦ですが、1988年当時、原潜といえど索敵はソナーなんでしょうか?。このアナログ感が潜水艦映画の面白さです。「やまと」は深海千mでモーツァルトの40番を鳴らし(シュール!)、音量を下げながら遠ざかると見せかけて敵原潜に近づき、真横に並んで信管を外した魚雷でスクリューを破砕。

 「やまと」は大胆にも第七艦隊のど真ん中に浮上し、主力の空母に打電します。空母を狙っている魚雷は通常の魚雷ではないと核魚雷を匂わせます。海江田は言います、「核の効能は威嚇においてのみ存在する」と。果たして「やまと」に核はあるのか?。空母は「やまと」の核搭載を信じ引き下がります。潜水艦同士の心理戦が第七艦隊との戦いに拡大され、政治、外交にまで発展する『沈黙の艦隊』の幕開けです。核を持っているのかいないのかの「沈黙」こそが心理戦の究極の武器だということです。
 海江田は第七艦隊司令官に言います、「冷戦の勝者アメリカはたった一発の核の恐怖に怯えた、冷戦の構図は終わっていない」。海江田は「我々は国家”やまと”である」と独立を宣言します。国民は70数人、「領土」は原潜、”売り”は軍事力のみという国家です。独立国家「やまと」と海江田の真の目的とは何か?。

専守防衛
 自衛隊潜水艦「たつなみ」が「やまと」と空母の間に割って入ります。自らを盾に「やまと」を逃がすつもりだと考えた第七艦隊は攻撃を加え、日米安保条約の綻びが露呈し、日本は「やまと」「やまなみ」の人命救助のため海上自衛隊の出動を決定します。自衛隊の有事出動です。米軍は「やまと」と護衛艦を攻撃し「専守防衛」が試されます。専守防衛は、武力攻撃を受けて初めて防衛力を行使出来る、且つその防衛も自衛のための必要最小に限るという縛りです。攻撃を受けた時点で自衛隊は壊滅的打撃を受けている可能性もあるわけです。護衛艦の艦長は「専守防衛とは事実上の交戦権の放棄だと」呟きます。「やまと」が第七艦隊に魚雷を発射し空母エンタープライズは沈没。日米開戦となります。
 イージス艦vs.「やまと」の駆け引きも秀逸。「やまと」が発射する魚雷数を数え、50発使いきった「やまと」に残るのは核魚雷?、米軍は「やまと」攻撃をためらい、大平洋艦隊は「やまと」一隻に翻弄されます。
 「やまと」は同盟するために日本を目指します。 →Voyajge2 、3

原作:かわぐちかいじ
監督 :高橋良輔

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