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電子書籍あれこれ(キンドル) [日記(2009)]

kindle.jpg
 こんなメール来ていましたね。
曰く、Amazonで洋書を購入されているお客様に朗報・・・やはり洋書かぁ。

 キンドルが日本でも買えるということで興奮しましたが、日本語未対応でキンドル国際版が買えるようになったと云うだけでちょっと残念です。しかし、3Gの通信機能で何処でも本がダウンロード出来る機能と読み上げ機能はすばらしいです。英文に抵抗の無い方、英語の読み上げ機能も付いていますから、学習者には朗報ですね。ウン十年前の学生時代に、電子辞書とキンドルがあったら・・・、と。
 
 その後、毎日新聞が英字版を提供する、来年には日本語に対応するとアマゾン幹部が語ったり、電子書籍の波は少しずつ大きくなっているように思われます。Googleが『グーグル・エディション(Google Editions)』を来年には始めるようで、競っていただきたいものです。Google Editionsはインターネットからパソコンに落として読む仕様の様で、専用端末が要らない分手軽です。
 電子書籍は、著作権切れ作品については、プロジェクト・グーテンベルクや青空文庫などが活発な活動を続けているようですが、パナソニックとソニー撤退して火が消えたようです。

 電子書籍についてあれこれ考えてみました。

紙か液晶か?
 画面を本物の紙に近づけるための努力が払われていますが、長年『本』のページをめくる、という読書の習慣を維持してきましたから、はっきり言って『紙』の優位は崩れないと思います。電子書籍が優位に立つためには、紙のデメリットを考えてみる方が早道です。

◆紙のデメリット
カサ高い
⇒文庫本ならポケットに入りますが、ハードカバーは鞄に入れてもけっこうカサ高く重いです。商業施設を建てる時も、書店が入居するビルは工事が異なるほどです。我が家でも、オトーサンの訳の分からない蔵書は白い目で見られています。

値段が高い
⇒最近買った『1Q84』も『太陽を曳く馬』も1冊1,890円。いずれも上下巻ですから3,780円。『グラーグ57』も文庫とは云え1冊700円×2=1,400円。但し、(売る、買うとも)古本という奥の手がありますが、電子書籍の古本は無いでしょうね(あれば違法コピー)。

絶版が多い
⇒『暗殺者』が絶版である話しは以前書きました。オンデマンド出版と云うものもありますが、これがまたベラボーです。『現代史資料』が読みたいのですが、みすず書房のオンデマンド出版では1冊12,800円です。出版社も再版しても売れそうに無い本は絶版にするでしょうし、商業ベースに乗りにくい本の出版は殆どメセナかボランティアみたいなものですから、デマンド出版でも高価にはなんるでしょう。『現代史資料』も電子化されているのですから、オンデマンド『出版』ではなく『配信』ならもっと安価になるはずです。
 後、雑誌新聞の類ですね。これは買い漏らしてバックナンバーが無くなったら後は図書館に行くしかないです。聞くところによると、国会図書館には『文化財』として膨大な蓄積があるそうです。

 電子書籍になると、これらのデメリットは確実にクリア出来そうです。一冊9.99ドルはお買い得な価格です(初期投資に本体270ドル要りますが)。

コンテンツ
 キンドルは、Amazonが主導したことに意味があると思います。電子書籍はコンテンツが第一ですから、読みたい本が電子化されていないと初めから成り立ちませんね。メーカー指導の端末ありきの世界では、電子書籍は育ちません。『1Q84』がキンドルでしか読めないとなったら、私は間違いなくキンドルを買ったでしょう。キンドル=洋書ですが、『チャイルド44』を読んで、続編が洋書で発売され(未訳)た場合も(英語の実力はともかくとして)キンドルに傾きます。

 新刊もそうですが、絶版の電子化を是非ともお願いしたい。amazonのコンテンツ88,000タイトルがどんなものか分かりませんが、5年前の『このミス』ベスト10がリーズナブルな価格で読めれば買います。絶版になっていれば9.99ドルではなくもう少し安価にしてほしいですが。
 ハードカバー ⇒文庫化 ⇒絶版 ⇒電子化の流れは、出版社にとってもメリットが出ると思うのですが、如何なものでしょう。
 多くの出版社が参加すればジャンルは問いません。東京創元社が参入すればミステリーとSFの多くがカバーされますし、岩波書店であれば古典が読めます。パピレスには140の出版社が参加しているから大丈夫でしょう。最近の作家はワープロで書くことが多いので、電子と紙の両建ての出版は十分可能な筈です。


 講談社は07年に死去した作家の小田実さんの全集を来年4月から電子出版で刊行することになった。同社によると、作家の個人全集の電子出版は国内初の試みだという。
 全集はインターネットの電子書店からデータをダウンロードして、パソコンの画面で読む。紙の本で読みたい人には注文を受けて印刷するオンデマンド出版で対応する。将来的には、アイフォーンなどの携帯端末やアマゾンの電子書籍端末キンドルでも読めるサービスも検討している

この調子でどんどん電子書籍が増えて欲しいものです。

価格
 コンテンツの価格です。Amazonは9.99ドル、円換算で約1,000円はなかなかいい価格設定だと思います。↑ でも書いたように1冊1,890円、上下3,780円は結構高価です。これが上下で1,000円なら、ビンボーな私でもどんどん新刊を読めます。現在の出版不況は、本の価格が高いことも大きな足枷となっていると思います。ここで、書評に載った新刊本の平均単価を出しましたが、いくら書評で絶賛されてもビンボー人には高嶺の花。1,000円で買えるなら、月に2冊程度は買えます。絶版が500円ならもっとうれしいですが。

フォーマット
 キンドルのサポートは、AZW(キンドル専用), TXT, MOBI, PRC、だと思います(PDF、JPEG、MP3も)。
ソニーのリーダーは、Adobe PDF、Word、BBeB、EPUBです。このEPUBですが、電子書籍の国際的標準化組織の推奨だそうで、ソニーは『寄らば大樹の陰』を狙ったようですが軍配はAZWかEPUBか興味津々。ちなみにGoogle EditionsはEPUBで、青空文庫はTXTとXHTMLです。
 ブルーレイの話しを持ち出すまでもなく、フォーマットの問題は重要でしょう。
Google Editionsは、Gmailアカウントを使ってGoogleにアクセスすれば、PC、ノートPC、Netbook、AppleのiPhoneのようなスマートフォンなどあらゆるデバイスで購入した電子書籍を読むことができるそうです。このデバイスを選ばない、というのがいいですね。

著作権
 電子書籍の流れを阻む最大の壁でしょう。電子データ化されれば、オリジナルと同じ品質でどんどん増殖していきますから始末に悪いわけです。Googleが米出版社協会と米作家協会と揉めているおお元です。ただ、書籍も流通しなければ著作権意味が無いわけですから、絶版など流通を阻んでいる障害を取り除くために、何処かで折り合いを付けた方がいいのではないかと思います。読書家は結構愛書家、蔵書家でもあり、電子本読んで面白かったら紙の本を買うようにも思うのでが。

 以下余談です。
著作権と電脳の関係で『知的財産権を過剰に保護することは、未来の「自由な文化」の可能性を損なってしまう』と云うローレンス・レッシグ(サイバー法の研究者)が有名です。レシングは著作権を否定するのではなく、『商業的価値がある15%の著作物』と『(商業的価値がないのに、著作権保護で自由な再利用もできない)「孤児」となってしまったこの85%の著作物』を分け、後者をクリエイティブ・コモンズとして解放せよ、と主張しています。
 印刷された書籍版は有料、ダウンロードできる電子版は無料とし、電子版は、原作者の著作権を表示した上で、商業目的ではない複製や再配布は認めるというものです。創造的な再利用については著作権の網をかぶせるな、という主張です。まぁ私が著作をモノにすることはありませんが、blogで引用するに当たって著作権だ何だと云われると(いや、もう著作権違反をイッパイやっているのですが)私の創造性が萎んでしまいます(^^;)

【電子bookリーダーをこう使う】
◆本を買う
インターネット経由と云うことになりますが、これは別に本体で接続してダウンロードすることには拘りません。パソコン経由で本体ロードで十分、画像等大容量のダウンロードは光を使えるパソコンの方が有利です。毎朝の日経、サンスポをダウンロードするとなると本体接続が便利でしょうね。以外と、満員電車で新聞を読むのに適切なツールかもしれません。

◆本を読む
小説を読むときには『読む=楽しむ』ことに専念しますが、仕事で本や雑誌を読む場合は、マーカーを使ったり傍線を引いたり、時によっては書き込みもします。電子書籍でこれが出来てさらにハイパーリンクが張れれば、精読のレベルが違ってきます。検索は当然出来るでしょうし、テキストで自分のノートに書き抜きが出来れば、端末⇒パソコン⇒レポートが容易く出来そうです。この検索ですが、記憶を頼りにページを繰って目的の箇所を探すのは結構手間のかかる作業です。仕事で時折法律を引用した書類を作成しますが、法律や官庁のお達しは電子化されているので検索・引用が本当に楽です。

 キンドルにはOxfordの辞書とQWERTYキーボードが付いていますが、これは検索用でしょうね。メモ機能は付いているのでしょうか?日本語でメモ機能付けるとなると、FEPや辞書が要りますから、仕掛けが大きくなりそうです。読書に辞書は必須ですから、広辞苑か国語辞書のしっかりしたものを付けて欲しいですが、そうなるとちょっとしたノート並の値段になりそうです。

こんな電子bookリーダーが欲しい
QWERTYキーボード・・・検索とmemo用
 ⇒キンドルには附いています。日本語FEPが必要ですが現状では当然未搭載。打ちにくいと云う記事もみましたが。
USB接続可能・・・パソコンとの連携
 ⇒キンドル2はUSB接続が可能だったと思います。パソコンからデータ送れるんでしょうね。本や新聞から切り出してメモを付けて⇒パソコン転送⇒仕事、これ便利です。
SDHCメモリスロット搭載・・・書庫はメモリーカード
 ⇒USBでパソコンに転送すれば問題ないとおもいますが、あれば用途が広がります
漢字変換機能と国語辞書内蔵・・・Atokと英和辞書、広辞苑
 ⇒キンドルにはOxfordの英々辞書が入っていますが、英和辞書が載れば日本での販売量は格段に増えると思います。広辞苑は贅沢ですが、EPWING形式で好みの辞書が載せられる様になれば最高です。
フォーマット
 ⇒日本語txtが読めれば十分ですがPDFは読みたいです(DXは日本語が読めるそうです)。
キンドルにある自分のメールアドレスにPDFファイル添付のEメールを送ると、アマゾンが変換(azwファイルに変換)後のファイルをキンドルに帰してくるシステムはあります。日本語PDFを読むのであれば選択肢はDXでしょう。
バッテリー
 ⇒PDAとモバイルPCの経験からバッテリーの保ちは重要です。キンドルは、通信機能を使わなければ1~2週間保つという記載もあり、クリアーしているかなと思います。
通信機能
 ⇒本のダウンロード用です。キンドルはメールも使えるようです。入院用電子ブックリーダーとしては便利でしょうね(過去2回経験)。
net接続
 ⇒あればあったで便利。情報端末としては必須でしょうね。
音声
 ⇒キンドルは読み上げ機能が付いています。モノラルでMP3が再生可能です。BGMとしてはステレオが必要ですが。
読み上げ機能なんかいらない、と思っていたのですが、コレ視覚障害の方には素晴らしい機能です。点訳の必要がないわけで、健常者と同じ環境で読書が出来るのですから。老眼にも有り難い機能かもしれません。漢字まじりの日本語の朗読機能は当面無理でしょうから、英語のリスニングの勉強します(したいです)。
携帯性
キンドル大きさ.jpg
 2サイズあります。

なんか、iPhone買った方が早そうですが、問題はやはりコンテンツですね。

 まぁ、かなり物欲を刺激されるブツであることは確かです。Amazon Kindleを購入する10の理由(妻を説得する10の理由)と云う面白い記事がありましたのでご紹介します。
購入前に、妻に相談、妻を説得が必要なことがあります。』と赤い太字フォントで書いてあります。これをやっておかないと通勤電車専用になってしまい、家では使えません(^^;)

2.書籍の保管場所に困らない。書籍の整理に困らない。
 ⇒これは効き目がありそうです。
4.無料の書籍も入手できる。
 ⇒これはやぶ蛇かと思います。

傑作なのは
10の理由でも説得しきれない石頭の奥さんには、下記の英文を見せてください。
ライバル製品が20ドル安くだしてきたので、値下げ前に購入した人には、ちゃんと20ドル返金しますよ。(もっと超翻訳をすれば、そのうち、ライバルのGoogleがただで機械を配りだしたら、全額返金される可能性が高いよと、目を直視して説明して、とどめを刺してください。)
 ⇒タダになまで待てば、と言われそうです。

キンドル ハック
 いろいろ調べると、キンドル( Kindle 2 International )の日本語化が可能なようです。 ここが本家?ですか。

1)Jail Breakというファイルで、キンドルのファームウェアをアップデイトする。
2)Unicode Hackを導入する。

これで日本語が読めるそうです。青空文庫が読めるようになりますね。さらにSavoryなるものをインストールすると日本語のPDFを読むことができるそうです(DXは不要)。

KindleをPCに接続し、documentsディレクトリにPDFファイルをコピーする

という手続が必要らしいですが。

キンドルで日本語が読めると、青空文庫は手の内です。私の場合、英文のPDFを結構溜め込んでいますから、これが手軽に楽しめます(結局仕事にはわない)。後は英和辞書とFEPとテキストエディタですね。

 何のことはない、以上のことは私のW-zero3[es]でも全部出来るんですね。出来ないのは『60秒で本をダウンロード』することくらいです。

【追記】
kindleのblog
 
なんだかんだで、結局買ってしまった。 

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