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映画 黙秘(1995米) [日記(2011)]

黙秘 [DVD]
 スティーヴン・キング『ドロレス・クレイボーン(Dolores Claiborne)』の映画化です。キング原作の映画はたくさんあり、ネタバレ映画館でもショーシャンクの空にグリーンマイルミストを取り上げました。黙秘は映画としては地味ですが、この三作を超える映画かもしれません。
 NYの新聞記者セリーナは、母親が殺人事件の容疑者として拘留されたことを知らされ、故郷メイン州の小さな島に帰り着きます。冒頭から、この母娘のギクシャクした関係が描かれ、事件の真相とともに、母娘の過去が次第に明らかとなるミステリーです。

ドロレス(キャシー・ベイツ):十数年前?に事故で夫を亡くし、島の富裕なヴェラの家に住み込み家政婦として20年勤め、現在は認知症となったヴェラの介護をしている。
死体となったヴェラの傍らで麺棒を振りかざす姿を郵便配達人に発見され、重要参考人として拘留されるも殺人を否認。

セリーナ(ジェニファー・ジェイソン・リー):ドロレスのひとり娘。故郷を離れてNYで新聞記者をしている。どうも母親との折り合いが悪く、故郷を捨てるように島を飛び出し、一度も帰郷していない模様。事件を知らされて帰郷したものの、母娘ともに関係を修復出来ず過去を引きずっている。

ヴェラ(ジュディ・パーフィット):島の富豪。夫を事故で亡くした後、島の別荘に永住。若い頃はドロレスに厳しい女主人であったが、今ではドロレスの介護が無いと日常生活さえ覚束ない状態で、彼女を頼りにしている。

マッケイ警部(クリストファー・プラマー):島の警察官。ドロレスの夫の事故死を、ロドレスが事故に見せかけて夫を殺した殺人事件として捜査をするが、不起訴となった。今回のヴェラの死亡も殺人事件と考え、ドロレス逮捕に執念を燃やしている。

 アメリカ北部の荒涼とした風景を舞台に、この四人の織りなすサスペンスです。ヴェラ+ドロレス VS. マッケイ警部、圏外セリーナといった構図が、ヴェラ+ドロレス+セリーナ VS. マッケイ警部へと変わり、ドロレスとセリーナの和解で終わりますが、ふたつの事件の背後に潜むドラマ、それを演じるキャシー・ベイツに圧倒されます。

 悪態が生きるよすが

これは、映画の冒頭近くで(確か)近所の悪ガキを罵った後でつぶやき、そして後半、セリーナが母親を弁護した後につぶやきます。悪態の背後に隠された、ドロレス、セリーナ、そしてヴェラが背負ったものの重さです。

 皆既日蝕の中で起きる惨劇はなかなかドラマチックです。今年の上半期に見たDVDのベスト3に入ります、お薦め。

監督:テイラー・ハックフォード
出演:キャシー・ベイツ ジェニファー・ジェイソン・リー クリストファー・プラマー

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