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映画 ウインドトーカーズ(2002米) BSシネマ [日記(2014)]

ウインドトーカーズ 特別編 [DVD]
 何処で読んだのか覚えていないのですが、日本軍の暗号通信に「鹿児島弁」、それも日本人でも容易に理解できない「薩隅方言」を使用する話がありました。タイトルの『ウインドトーカーズ』とはコレで、アメリカ・インディアンのナバホ族の言葉で通信する言わば「人間暗号機」の物語です(コードトーカーと言うらしいです)。「暗号機」ですから、戦場でこれが壊れないように守る兵士が付きます。コードトーカーと彼を守る兵士の話しです。

 エンダース(ニコラス・ケイジ)は、ソロモン諸島で日本軍の猛攻を受け部下14人を失い、自身も負傷してハワイに送り返されます。命令を死守したために部下を無駄死にさせたという戦闘がトラウマとなって、エンダースは戦場復帰を願い出ます。エンダースに与えられた命令は、サイパン島を日本軍から奪うためにナバホ族のコードトーカー、ベン・ヤージ(アダム・ビーチ)を守ることです。エンダースが配属された小隊には、もう一組のコードトーカー、ヘンダーソン(クリスチャン・スレーター)とホワイトホース(ロジャー・ウィリー)が配され、この2つのチームが主旋律、副旋律となってストーリーを進めます。

 戦争映画をアクション映画と混同しているジョン・ウーの演出は頂けませんが、コードトーカー、ナバホ族(先住民)を戦争映画に持ち込んだことは、慧眼だと言えます。
 物量作戦の権化のような米軍に、スピリチュアルなナバホ族が加わることで、ストーリーに奥行きが出てきます。そのひとつが人種差別です。ヤージは、同じモンゴロイドである日本兵を殺すことにためらいを持っているようですが、その辺りは突っ込んでいません。逆に、ヤージは、外見が似ているからと、エンダースを捕虜に見立てて日本軍陣地に侵入し、敵の無線機を使って味方を砲撃の誤爆から救います。折角ナバホ族を持ち込んだのですから、ベン・ヤージのモンゴロイド同士が戦うという戸惑いはもっと突っ込んで欲しかった。
 ホワイトホースの笛(民族楽器)とヘンダーソンのハーモニカのセッションのエピソードが描かれます。これもありきたりの表現かもしれませんが、ちょっと感動します。

 この映画でのコードトーカーの役割は、着弾観測、目標設定です。着弾の誤差をナバホ語で味方に知らせる、最前線から攻撃目標の座標を知らせるというのが主な仕事です。このコードトーカーを守る兵士にはもうひとつ役目があります。暗号機が敵の手に渡ると暗号が解読されます。その時は暗号器を壊せ(殺せ)です。ヘンダーソンは、日本軍の捕虜になりそうになったホワイトホースを手榴弾で殺します。

 『ウインドトーカーズ』は、あまり評判のよくない映画のようです。主人公は決して弾に当たらないというご都合主義、リアリティに欠ける戦闘シーンなどツッコミは山とありますが、コードトーカーとナバホ族(先住民)を戦争映画に持ち込んだということでは、それなりに評価していいのではないかと思います。

監督:ジョン・ウー
出演:ニコラス・ケイジ アダム・ビーチ クリスチャン・スレーター ピーター・ストーメア

タグ:BSシネマ
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