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映画 汚名(1946米) [日記(2015)]

汚名(Notorious) [DVD]劇場版(4:3)【超高画質名作映画シリーズ17】 デジタルリマスター版
 原題、Notorious。ヒッチコック+イングリッド・バーグマンのサスペンス・ロマンです。ヒッチコックの金髪フェチは有名ですが、もうひとつマザコンがあります。代表作『サイコ』、『』はマザコン映画だと勝手に思っています。その兆候はこの『汚名』あたりからではないでしょうか。

 アリシア(イングリッド・バーグマン)の父親はドイツ(ナチ?)のスパイ容疑で20年の判決を受け、獄中で毒をあおって死にます。後の展開を見ると、毒殺かもしれません。父親が属していたスパイ組織を摘発するため、諜報機関が動きだし、アリシアを使ってブラジルに潜伏する組織を炙り出そうと、エージェントのデヴリン(ケイリー・グラント)がアリシアに近づきます。

 美男美女が揃いますから、当然ロマンスが生まれるわけですが、政府のエージェントが作戦の駒に惚れるわけにもいきませんから、デヴリンはそ知らぬ顔で我慢。諜報部は、スパイのひとりでブラジルの富豪セバスチャン(クロード・レインズ)がかつてアリシアに惚れていたことを利用し、アリシアをハニートラップに仕立てる作戦を立てます。デヴリンは、アリシアをアメリカのスパイに仕立て運用する役目を命じられます。惚れた女性を、ハニートラップに仕立てて組織に潜り込ませるわけですから、これは辛い仕事。デヴリンに恋したアリシアは、「マタハリになれと云うことね」と、デヴリンのためにこれを引き受けます。おまけに、セバスチャンと身体の関係を結び、結婚してしまいます。ここから、非情なデヴリンとけなげなアリシアのスパイ物語が始まります。
 ちなみに、ここから舞台はリオデジャネイロになるのですが、全編ハメコミ映像です。

 結婚披露のパーティーを利用してデヴリンがセバスチャンに近づき、アリシアは組織の動向をデヴリンに伝えると云うスパイ活動が描かれますが、アリシアに比べてイケメン・エージェントのデヴリンの苦悩はいまひとつ伝わってきません
 
 そしてアリシアの正体がバレます。ここからです。セバスチャンは、お母さんどうしたらいいだろう、と母親に泣きつきます。オイそれは無いだろうと言うべきか、やはりそう来るかと言うべきか(笑。
 失策を犯したスパイ仲間が暗殺される伏線があり、アメリカの手先と結婚したことがバレれば粛清されます。故に、お母さんどうしよう、というわけです。情けない息子よりも腹の座った母親は、一切を秘密に、アリシアの始末を命じます。しかも、組織にバレないように遅効性の毒をアリシアに盛り、病気で亡くなったように見せかけようというわけです。
 
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 アリシア                       お母さんどうしよう... 

 気弱な息子と気丈な母親、あるいは金髪の可愛い嫁を苛める、殺すパターンは、後に『サイコ』と『鳥』に引き継がれます?。

 アリシアは毒を盛られたことに気付きますが、もはや逃げ出す体力も残っていない状態。アリシアの異変に気付いたデヴリンは、セバスチャンの邸に駆けつけ事の真相を知り、アリシアを助け出そうとしますがセバスチャンと母親に発見されます。果たして無事切り抜けることが出来るのか?。当然切り抜けますが、この辺りはさすがヒッチコックという出来映えです。

 愛する女性をハニートラップに仕立てるエージェント、というのはなかなか面白い発想ですが、 ケイリー・グラントが下手なのでもうひとつ生きていません。というか、デヴリンの役柄は相当難しい演技を要求されます。ミスキャストですね。

 余談ですが、この映画の撮影中、バーグマンはロバート・キャパと恋愛関係にあり、キャパは撮影現場に入り浸っていたようです。夫のあるバーグマンの不倫でっす。その後、キャパと別れてロッセリーニの元に走りますが、そう思ってみると、愛する男のために身を挺するアシリアとダブって見えないこともないです。
 
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 おなじみのカメオ出演
 
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:イングリッド・バーグマン ケイリー・グラント クロード・レインズ 

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