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映画 マザーレス・ブルックリン(2019米) [日記 (2023)]

マザーレス・ブルックリン ブルーレイ&DVDセット (2枚組) [Blu-ray]
 原題”Motherless Brooklyn"。トゥレット障害を持つ私立探偵ライオネルの話です。トゥレット障害とは、時と場所をわきまえず汚い言葉や韻を踏んだ言葉(ダジャレ)を発するチック症のひとつだそうです。例えば映画では、相手が「連中は始末した 」と言うと、ライオネルはすかさず「始末した、ジュウシマツ!」と返し、意味もなく”if!、if!”と叫びます。これらは自己抑制が効かない障害で、ライオネルはこの障害と引き換えに抜群の記憶力に恵まれ、この二つが映画のキモ。ライオネルを『25時』『ファイト・クラブ』のエドワード・ノートンが演じます。

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 私立探偵のフランク(ブルース・ウィリス)は、ブルックリンのカトリック孤児院から12歳のライオネル等4人の孤児を引き取り「探偵事務所」の探偵として育て上げます。
 舞台は1950年代、私立探偵と言えばチャンドラーのフィリップ・マーロウでスタイルはハードボイルド。登場するのがトゥレット障害のため聞き込みが苦手という探偵。このアンバランスが『マザーレス・ブルックリン』の魅力です。

 フランクが内偵中に殺され、リーダーのフランクを失った探偵事務の4人は、浮気調査、保険金詐欺、副業の配車サービスで稼ぎながら犯人探しが始めます。殺人の背後には、ブルックリンの再開発に絡む汚職と黒人差別があり、ライオネルは巨悪を追い詰めます。と言うのがストーリーなのですが、エドワード・ノートが描いたのはもっと別の所にありそうです。
 ライオネルにとって、フランクは孤児自分の才能を見抜き、育て、探偵という職業を与えて自立させてくれた父親にも等しい存在です。そのフランクは冒頭で殺され早々と姿を消し、ライオネルは「父」を失います。『マザーレス・ブルックリン』は、犯人を探す物語であると同時に、マザーレス・ライオネルが「父」を探す物語だとも言えます。ラストで、ライオネルはローラ(ググ・バサ=ロー)に「母」を見出だします。

監督:エドワード・ノートン
出演:エドワード・ノートン、ブルース・ウィリス、ググ・バサ=ロー、アレック・ボールドウィン、ウィレム・デフォー

タグ:映画
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