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鈴木まもる 身近な鳥のすごい巣 (2023イースト新書Q)  [日記 (2023)]

身近な鳥のすごい巣 (イースト新書Q)

 何故また鳥の巣かと云うと、著者の鈴木まもるさんのインタビューをラジオ(深夜便)で聴き面白かったからです。著書があるというので読んでみました。
 何故また鳥の巣かと云うと、著者は絵本作家で、画家の眼で鳥の巣の造形に惹かれたということです。著者が主宰する「鳥の巣研究所」のサイトを見ると、鳥の造形の妙に驚かされます。こんな鳥の巣を見つけた時の感動は如何ばかりか?。著者はトレジャーハンターとなり(フィールドは世界です)、宝を並べ公開する「鳥の巣研究所」の開設となったと想像します。著者曰く、

よく「鳥が先か、卵が先か」といわれるが、鳥の巣が先なのである。

 本書では、スズメに始まってオオハクチョウまで、身近かどうかは?ですが日本の鳥32種類の巣が取り上げられます。得意の絵筆で鳥と鳥の巣、生態が描かれている「絵本」ですから、楽しく読めます。

ウグイス
 例えばウグイス。鳴声はお馴染みですがその巣は殆んど目にすることはありません。ウグイスは葉の裏などに付く虫を食べるため、巣はエサを捕るのに便利な地表近くに作るそうです。

しかし、地面に近いということは、当然ヘビやイタチ、キツネなどの天敵に襲われる確率も高くなる。そこで、ウグイスのオスは複数のメスと交尾して、たくさんの子孫を残そうとしているのだ。要するに一夫多妻ということだ。 ・・・つまり、あるオスは二月中旬に鳴きだしA子さんと仲良くなり、A子さんが抱卵を始める三月には、少し場所を移動し、さえずり、今度はB子さんと仲良くなり・・・(p131)

と、ホーホケキョは9月まで続くわけです。普通、鳥はオスメスが協力して子育てをするそうですが、ウグイスのオスは子育てに協力せず、ホーホケキョとA子さんB子さんと遊び惚けているらしいですw。メスはホトトギスの卵まで温めさせられますから、苦労が多い?。

恐竜
 鳥類の研究は盛んで、ウグイスならウグイスの生態から営巣まで〈縦〉の研究はありますが、鳥の巣だけを〈横〉串にしたの研究は無いそうです。鳥は恐竜が進化したというのが定説です。鳥が飛べるようになった過程には、「翼アシスト傾斜走行説」「地上走行説」「樹上滑空説」の三つの説があるそうで、

どの方法で飛ぶようになったのかについて、百年以上もの論争が続いている。これはそれぞれの専門家たちが鳥の巣を知らないからではないだろうか。 鳥の巣を知れば「翼アシスト傾斜走行説」「地上走行説」「樹上滑空説」のどれかのみではなく、それぞれの巣の場所に応じて飛行に必要な筋肉を獲得していったことは明白なのだ。
要は、大切な卵とヒナを安全に育てる空間をつくっていった結果が鳥の巣なのである。

 スズメ、ウグイス、メジロ、シジュウカラ、モズ、ツバメ、キツツキ・・・などがお馴染みの野鳥ですが、その巣はツバメ以外見たことがありません。雑木林で鳥の巣のトレジャーハンターをやってみますw。
 著者は日本各地で鳥の巣の展覧会(ワークショップ)を催しているようです。機会があれば見てみたいものです。

タグ:読書
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